【2025年振り返り】必読!今年の注目ニュースレター記事をピックアップ

今回は2025年の1年間を振り返り、独断でいくつかの記事をピックアップし、テーマの背景やどんなことを思いながら書いたかなどを紹介していきます。
重見大介 2025.12.31
誰でも

2023年1月末に開始した本ニュースレター。

現時点で配信記事は220を超え、今では12,000人を超える方々に登録いただいております。ありがとうございます。
(6月には登録読者1万人達成記念イベントもやりました。すでに懐かしい。。!)

今回は2025年を振り返る記事ですので、年末の読み物の一つとして楽しんでいただければ嬉しいです。最後に2026年の目標も書いてみます。

ニュースレターを始めた経緯

産婦人科領域における社会課題はたくさんあります。

  • 包括的性教育という概念の周知と実装の遅れ

  • 若い女性の痩せ指向やルッキズムとそれに伴う健康問題

  • 月経随伴症状や月経前症候群による様々な負の影響

  • 避妊手段の少なさと不十分なアクセス

  • 子宮頸がん検診受診率とHPVワクチンの接種率の低さ

  • 妊産婦の自殺とそれに関連する周産期うつ病

  • 更年期障害の受診率の低さや疾病認知の低さ

  • フェムテックと称したほぼ無意味または害のあり得る商品やサービスの増加

  • 女性の健康に関する誤情報やデマが溢れるTV、書籍、インターネット環境

  • 産婦人科での不快な受診経験

など、あげればキリがありません。

こうした課題へ、私はそれぞれのフェーズに必要なアプローチ(臨床、研究、事業、発信など)を試みてきました。

データが不十分なのであれば研究やエビデンス構築を、エビデンスはあるのに社会に浸透していないのなら啓発活動や情報発信を、十分に知られているのに不便さが大きいならそれを解決できるような事業やサービス作りを。

実際、臨床を通じて「限界」を感じた課題は多く、このように多様なアプローチをしていく必要性を実感したというのが大きな理由になっています。

本ニュースレターは、情報発信の手段の一つとして2023年1月末に開始しました。特に、SNSではオープンに発信しにくい「話題の深掘り」や、私自身の頭の中にある「想い」のようなものを皆さんへ伝えていく場としています。

どうしてもメディアからの取材や依頼原稿では個人的な考えや想いを書くにも限界がありますし、XなどのSNSでは顔も名前もわからない人から攻撃的な誹謗中傷を受けるリスクが高く、本レターのような媒体は貴重だと感じています。

ただ、一つ一つの記事を書くのにかなり時間を要します。世間で話題になっているトピックにアンテナを常に張り、読者にとって有益なテーマを検討し、最新の研究結果やデータを確認し、表現に間違いがないかをチェックし、誰かを意図せず傷つけてしまうような内容になっていないか注意します。そして毎回4000-6000文字ほどのボリューム(1万字を超える記事もちょくちょくあります。。笑)なので片手間に書けるわけではありません。

そこで、しっかりと準備し、執筆時間を確保すること、そしてプライベートなことを踏まえた個人的な思いや考えなどを中心に限定した配信をすること、などを考え、途中から「サポートメンバー限定記事」(有料限定記事)を設けました。全文読むにはサポートメンバー登録を必要とする記事のことです。

今では私にとってサポートメンバー皆さまのお力添えは大きな支えになっており、以下のようなサポートメンバー限定企画を通じて新たな発見や楽しさを得られています。

  • 限定記事へのコメント開放

  • 毎月のQ&A(質問募集&回答)

  • 限定ライブ配信(月1回、YouTubeで双方向性の配信を実施)

最近のQ&A記事は以下になります。

最近では、概ね以下のペースで記事を配信しています。

・無料記事:月に2本程度
・有料限定記事:月に4本程度

2025年に配信した記事(概要)

まず、今年配信した記事数は76本でした。

いやー、たくさん書いたな。。!毎月の配信数はしっかり守れて一安心です。

そしてこれまでの総閲覧数(2025年だけはわからず)はなんと「669万回」となっています!これはなかなかのインパクトですよね。ありがたいです。。!

今年の76本のうち1/3程度は無料公開記事なので、ざっくり25本くらいが該当します。
去年も同じことを思いましたが、メールアドレス登録だけで無料で受け取れるニュースレターで、年間にこれほど、有益かつ科学的根拠に基づき、しっかりした文字数の記事を受け取れるメディア・サービスは他にないはず。。!

加えて、サポートメンバー登録していただくことで、月数百円でこの3倍の数の記事を受け取れます。また、セクシャリティ分野のテーマや、かなり深掘りしたリサーチ記事も含んでおり、他ではまず読めない内容になっているかなと思っています。

加えて、世の中で話題になっているホットトピックについて私の考えや本音を書くようなタイプの記事は基本的にサポートメンバー限定記事にしているので、私の頭の中を覗くことができて面白い、勉強になるという声も多く頂いています。
私にとっても心理的安全性の確保された環境でこうした発信ができることはとても助かっています。

それでは、ここから今年の記事を振り返っていきましょう。

全ての記事を紹介することはできませんが、以下のようなカテゴリーに分けてピックアップしていきます。

  • 2025年の記事の中で最も閲覧数の多かった記事

  • 2025年の記事の中で2番目に閲覧数の多かった記事

  • 2025年の無料公開記事で最も閲覧数の多かった記事

  • 男性に関連した記事で最も閲覧数の多かった記事

  • 性教育関連記事の一覧

  • 私の本音を綴った記事の一覧

面白そうな記事があれば、ぜひこの機会に登録&読んでみてください!!

2025年の記事の中で最も閲覧数の多かった記事

今年8月に配信した記事です。(サポートメンバー限定)

この記事では、オンライン上のポルノコンテンツの消費が脳や行動に及ぼす影響のメカニズムを中心に解説し、依存症の診断基準や現在の課題についてお話ししました。

また、恥ずかしながら私自身の経験も振り返ってみました。やっぱり特に男子にとってはアダルトコンテンツと切っては切れない生活になりがちなんですよね。

最近ではスマホからいくらでもアダルトコンテンツが見れてしまうし、エロ系の広告も溢れていますので、親御さんはもちろん、学校の先生や社会全体で知っておかないといけないトピックだと思っています。

内容は以下の通りです。

  • オンラインポルノ普及の現状と消費行動の変化

  • ポルノ視聴による脳の変化:最新の知見から

  • 依存のメカニズム、薬物依存との類似点

  • ポルノ依存の診断基準の現在と課題

  • ポルノ依存のリスク要因

  • ポルノによる脳への影響は回復するのか

  • 私自身の経験から感じること

  • マイオピニオン(総合的な私個人の考えや意見)

本記事は、現時点でなんと「329,567」回の閲覧数となっており、ダントツでトップの閲覧数でした。

他では読めない内容かと思いますので、ぜひ記事を読んでいただけたら嬉しいです!

2025年の記事の中で2番目に閲覧数の多かった記事

今年7月に配信した記事です。(サポートメンバー限定)

最近の研究から、「家庭によって生まれる子どもの性別に偏りがありそうだ」というテーマについて科学的な視点から解説しました。

これは私も論文を見つけた時にびっくりして、「え、そんなことあるん。。?」と思ってしっかり研究結果を読み込んでみたんです。そしたら興味深い結果が示されていて、「やっぱり科学的根拠のない話で金儲けをするとかダメダメで、こういう研究データの蓄積が大事なんだよなぁ」と実感しました。

内容は以下の通りです。

  • 一般的な閉経時期

  • これまで報告されてきた出生時の性別に関するデータ

  • 最新の研究でわかってきた「家庭による子どもの性別の偏り」

  • 子どもの性別に影響する要因と生物学的メカニズム

  • この研究結果をどう解釈すれば良いのか

  • 産み分けって結局できるの?

  • マイオピニオン(総合的な私個人の考えや意見)

本記事は、現時点で「117,147」回の閲覧数となっています。

お子さんの性別について強い関心がある方も多いな、というのは産婦人科医としても感じるところです。ただ、性行為の工夫やサプリメント、食事などでは生まれる子どもの性別をどちらかに傾かせることはできません

それでも、5万人超・15万件の出産記録を解析することで、家庭によって性別の偏りがありそうだということがわかってきたんですね。これは私自身、非常に興味深い結果でした。。!

ちなみに、本記事で紹介している研究結果は以下のとおりでした。

xxxな家族では、次の子どもが男児になる確率は61%
zzzな家族では、次の子どもが女児になる確率は58%

気になる方はぜひ記事を読んでみてくださいね!

2025年の無料公開記事で最も閲覧数の多かった記事

これは今年1月に配信した記事です。(無料公開記事)

子宮内膜症や月経困難症の治療法として用いられる「ジエノゲスト」(商品名:ディナゲスト)を詳しく解説しました。使用方法、効果、注意点、費用、よくあるQ&Aなどわかりやすく整理しています。

最近ではだいぶ使っている女性も増えてきているように思ってますが、まだまだ知らない方もたくさんいらっしゃいます。

あと、私は高校生など生徒さんと話す機会もありますが、低用量ピルは聞いたことがあっても「ジエノゲスト」はやはり知らない方がほとんどです。

記事の内容は以下となっています。

  • ジエノゲストの概要

  • 作用のメカニズムと特徴的な点

  • ジエノゲストの効果(痛みの軽減と生活の質の向上への有効性)

  • ジエノゲストの副作用と安全性

  • 他の治療法と比べた際のメリット・デメリット

  • 保険適用の対象と費用

  • マイオピニオン(総合的な私個人の考えや意見)

生理痛が結構きついけど、以前にピルが合わなかったんだよな、ピルの血栓症が心配だな、喫煙してるんだよな、という方はぜひ記事を読んでみていただければと思います。

男性に関連した記事で最も閲覧数の多かった記事

今年2月に配信した記事です。(サポートメンバー限定)

今年は男性向けの記事を増やし、最近では男子向け性教育シリーズ記事も配信したのですが、最も閲覧数が多かったのは上記記事でした。

「男性向けの避妊法が開発されないのは男性の怠慢だ!」と感情的な思考だけになっても全体像は正しく見えません。その理由が、この記事を読むことでお分かりになるかと思います。

私もこれまでの歴史や開発の難しさを改めて調べてみて、かなり勉強になりました。フェムテック関連業界にいる人にもぜひ知っておいてほしいなぁと思いました。

  • 現在の男性避妊法:限られた選択肢

  • 新たな男性向け避妊法の開発や実現が難しい理由

  • ホルモンを用いる男性向け避妊法:テストステロン単独療法

  • ホルモンを用いる男性向け避妊法:テストステロン+プロゲスチン併用療法

  • 注目の新技術:避妊用ジェル

  • ホルモンを用いない新たな避妊法の可能性とは

  • 男性向け避妊法の未来はどうなるのか

  • マイオピニオン(総合的な私個人の考えや意見)

ぜひ読んでみていただけたら嬉しいです。

性教育関連記事

私のニュースレターでは「性教育」を大きなテーマの一つにしており、継続的に配信しています。

また、学校等で実際に性教育講演をさせていただくこともあり、そこで話した内容の一部をまとめた記事も配信したりしています。

今年は、以下の記事を配信しました。
いずれもかなり好評いただいている記事になります。

・小児科医の今西先生と「子どもの性被害」について対談

・性教育シリーズ(9) :男性のSRHRについて

・最近の男子校での性教育における生徒さんからの感想を動画で紹介

・性教育シリーズ(10) :マイクロアグレッション

・「男子小中高生に向けた包括的性教育を考える」シリーズ(全3記事)

気になるものがありましたら、ぜひ読んでみてください。
私のニュースレターだけで、性教育に関してかなりのアップデートができるはずです!

私の本音を綴った記事

これらは私の本音を綴った記事で、去年より多めに書いてみました。

普段の記事のような、研究論文を読み込んでわかりやすく解説したり、医学的知見をもとに疾患等を解説したりするタイプのものとは異なり、あくまでも「私が感じたこと、思っていること」を本音として書いたものです。

こうした記事はSNSで安易に書けない(限られた文字数や見え方では意図が正確に伝わらなかったり誤解されたりしやすいため)ですし、なかなか人に話す機会もないので、こうして文字に起こす際にはニュースレターを使っています。

いずれも、あくまでも私の個人的見解や意見であり、反対意見を持つことや納得できないことがあるのは当然だと思っていますので、もし同様の意見でも反対の意見でも、コメント欄への記載などで感想やご意見をいただけると私も嬉しいです。

私の頭の中を覗いてみたい、気になってた話題を重見がどう考えているのか気になる、といった方はぜひお暇な際に読んでみてください!(最近ではインタビューや取材を受ける際に、こうした記事を読んでいただいた上でお声がけいただけることが多く、非常にスムーズにやり取りができていて嬉しいです。ありがとうございます!)

*「男性産婦人科医への批判の声」というテーマでは先日ABEMA Primeにも出演させていただきました。YouTubeでも観れるのでぜひご覧ください。

2025年の目標は達成できたのか?

さて、改めて今年を振り返ってみましたが、我ながらいろんなテーマでたくさんの記事を配信してきたなと思います。

閲覧数の多い記事もあれば、そうでない記事もありましたが、私にとってはいずれも大事な情報発信で、できれば全ての方に読んでみていただきたい内容です。

とはいえ、今年は「読者1万人」を達成できました。今では12000人を超えてくれており、嬉しい限りです。本当にありがとうございます!!

ただ、達成できなかった目標もありました。

密かに「サポートメンバー300人」を目標にしていたのですが、これは力及ばずでした。

あと数名というところまで行ったときもあったのですが、そこから変動もあり、もうちょっとのところで達成できずな状況です。悔しい。。!

でも、300名弱というたくさんの方に支えられてこのニュースレターは運営できています。もう来月には開始から3年経ちますが、まず3年も継続できたこと自体が励みになっています。心から感謝をお伝えいたします。ありがとうございます!

来年もさらに気合を入れて頑張っていきたいです。

なお、ニュースレターとは関係ないですが、著書の重版記念に初のサイン会(勝手に自分で開催)もやりましたね。15名くらいの方が来てくださって感激でした。。!

ニュースレターのサポートメンバーの方には、私がプライベートで撮った写真をクリアしおりにしてプレゼントしました。読書のお供に使ってもらえたら嬉しいです。

Daisuke Shigemi | 重見大介 | 産婦人科医
@Dashige1
うおお。
自分の写真で作ったクリアカードが想像以上にいい感じで、しおりとしてもいいんじゃないかこれは。。!

全7種類です。サイン会でニュースレターのサポートメンバーの方々にはプレゼントさせていただきますので、どうぞお楽しみに。。!
2025/09/16 09:03
1Retweet 33Likes

*↑大好評の著書はAmazonでも購入可能です。ぜひ覗いてみてください。

2026年の目標

さて今年を色々と振り返ってみましたが、来年の目標を何にしようかなと。

普段あんまり目標を明確に掲げるタイプじゃないんですが、宣言しとくとやる気も出ますよね。

ということで、2026年は以下を達成できるよう頑張ってみたいと思います。(会社としてではなく個人的な活動として、です)

  • ニュースレター読者数:18000人(結構高い目標。。!)

  • ニュースレターサポートメンバー数:350人(難しそうだけど。。)

  • 新しい著書を1つ出版する(すでに芽があるので頑張りたい)

他に性教育や写真もより頑張っていきたいんですが、目標が思いつかなかったのでそれはまたおいおい。。

Daisuke Shigemi | 重見大介 | 産婦人科医
@Dashige1
気持ち良い朝だ。おはようございます。
2025/07/30 05:14
4Retweet 148Likes
***

今回は2025年を振り返ってみましたが、いかがだったでしょうか。

すでに登録いただいている方は、まだ読んでないけど面白そうな記事があったらぜひ読んでみてください。

まだご登録いただけてない方は、これを機にぜひご登録いただけたら嬉しいです。無料記事もたくさんあり、過去のものも全てお読みいただけます。

そして、より深掘りした記事を読みたい、重見を応援したい、と思ってくださった方はサポートメンバー登録してくださったらとても嬉しいです。(2026年の目標達成にぜひお力添えくださいませ。。!)

それでは、来年もどうぞよろしくお願い致します!!

*ご意見やコメント、感想などがあれば以下のコメント欄にご記入ください。私宛の限定コメントにもできますので、ご意見などお待ちしています。(なお、誹謗中傷的なものは全て記録・対応しますのでご了承ください。。!)

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