小児科医と産婦人科医で考える「子どもの性被害」
〜日本の現状、予防に必要なこと〜

子どもの性被害について積極的に活動なさっている小児科医の今西洋介先生と対談しました。
重見大介 2025.01.29
読者限定

読者の皆さん、こんにちは。いつもニュースレターを読んでいただきありがとうございます。

産婦人科の診療では、性被害について携わる機会があります。しかし、子どもの性被害については産婦人科医全員が詳しいわけではなく、またほとんどの場合に診療経験も乏しいのが現状です。

今回は、メディア等でも大人気で、2024年12月に刊行された『小児科医「ふらいと先生」が教えるみんなで守る子ども性被害』の著者でもある、小児科医・今西洋介先生と「子どもの性被害」について対談した内容をお届けします。

私の本記事は前編の内容で、今西先生のニュースレターで後編を配信しています。どちらもぜひご覧ください。

今西先生のプロフィール

新生児科医・小児科医、医学博士(公衆衛生学)、小児医療ジャーナリスト、一般社団法人チャイルドリテラシー協会代表理事。1981年、石川県金沢市生まれ。国内複数のNICUで診療を行う傍ら、「ふらいと先生」の名でSNSを駆使し、小児医療・福祉に関する課題を社会問題として提起している。

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本記事でお伝えする対談内容

1. はじめに:出版の経緯と想い

・新刊出版の経緯
・シンポジウムでの出会いがきっかけに

2. 包括的性教育に着目した背景

・新生児科医としての視点
・NICUでの経験と地域性の問題意識
・産婦人科の診療ガイドラインと小児科側の遅れ

3. 子どもの性被害の現状とデータ

・日本で1日に被害に遭っている子どもの数
・男女比「1対9」が示す問題点
・被害は6歳未満から?

4. 日本の課題と海外との比較

・法改正前後の統計の曖昧さ
・アメリカや欧州との研究・データ格差
・倫理審査のハードルと今後の研究動向

5. 保護者・教育者の皆さんに知っておいてほしいこと

・「知ること」の大切さ(リスク回避の第一歩)
・包括的性教育と子どもとの対話
・被害に遭った子どもへの具体的な対応

***

この記事は無料で続きを読めます

続きは、4890文字あります。
  • 1. はじめに:出版の経緯と想い
  • 2. 包括的性教育に着目した背景
  • 3. 子どもの性被害の現状とデータ
  • 4. 日本の課題と海外との比較
  • 5. 保護者・教育者の皆さんに知っておいてほしいこと

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