【後編】見過ごされがちな「父親の周産期うつ」 〜支援の難しさ、介入研究の近況、今後の展望〜

父親の周産期うつについて、支援のあり方、介入手段の検証状況、今後の展望などについて考えます。
重見大介 2026.02.21
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本ニュースレターでは、女性の健康や産婦人科医療に関わるホットトピックや社会課題、注目のサービス、テクノロジーなどについて、産婦人科医・重見大介がわかりやすく紹介・解説しています。「○○が注目されているけど、実は/正直言ってxxなんです」というような表では話しにくい本音も話します。

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前編の記事では、父親の周産期うつが決して珍しいものではなく、日本においては約10人に1人の父親が妊娠期から産後1年以内にうつ症状を経験していること、特に産後3〜6か月に有病率がピークに達することをお伝えしました。また、父親と母親のうつが互いに影響し合い、カップル単位での支援が必要であることも示されました。

しかし、こうした事実はまだ十分に社会や医療現場で認識されておらず、父親のメンタルヘルスに対する支援は母親に比べてだいぶ遅れているのが現状です。

後編になる本記事では、父親の周産期うつに対する介入研究の状況や、支援の難しさについて解説します。さらに、どのような支援が効果的であるか、実際に医療や地域でどのように対応していくべきか、今後の課題や展望についても考えてみましょう。

この記事でわかること

  • 支援の難しさと、その理由

  • 父親への介入研究の近況(4つの文献紹介)

  • 対応していく際のポイント

  • オーストラリアの興味深い、男性向け取り組み

  • 今後の展望と課題

  • マイオピニオン(総合的な私個人の考えや意見)

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支援の難しさ、その理由とは

前編の記事でお伝えしたとおり、父親の周産期うつは決して珍しいものではありません。

しかし、こうした現状はまだ社会的にも医療的にも十分に認知されていないように感じています。
そして、さまざまな要因から、母親の産後ケアに比べて支援が届きにくい現状があります。

例えば、男性は一般的に、メンタルの不調を言葉にすることに心理的なハードルを感じやすい傾向があります。特に「家族を支える側」という役割意識が強いと、弱さを見せることが恥ずかしいことだと感じてしまう男性も少なくないでしょう。

また、母親は妊婦健診や産後健診を通じて医療者と定期的に会える機会を持っていますが、父親にはそうした機会がほとんどありません

結果として、症状を拾い上げるスクリーニングのチャンスが少なく、見逃されやすくなります。
加えて、父親の産後うつの認識も広まっていないことから、周囲からの支援も得づらくなってしまっている、という影響もあるでしょう。

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