ポルノ視聴について知っておきたいこと 〜性機能や性的満足度への影響〜
本ニュースレターでは、女性の健康や産婦人科医療に関わるホットトピックや社会課題、注目のサービス、テクノロジーなどについて、産婦人科医・重見大介がわかりやすく紹介・解説しています。「○○が注目されているけど、実は/正直言ってxxなんです」というような表では話しにくい本音も話します。
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「ポルノ(アダルトコンテンツ)の見過ぎは良くない」とよく言われますが、ポルノ視聴は性機能や性的満足度にどのような影響を与えるのでしょうか。
これまでさまざまな研究が行われてきましたが、単に「見る頻度が多い=悪い」といった単純な関係ではなさそうだということがわかってきています。
今回は、ポルノ視聴が性機能や性的満足度、またパートナーとの関係に与える影響に焦点を当てて、最新の研究知見を紹介します。
*前々回、前回の記事もぜひ併せてご覧ください。
この記事でわかること
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アダルトコンテンツは性機能に悪影響を与えるのか
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アダルトコンテンツの視聴頻度・依存傾向と性機能障害の最新の知見
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アダルトコンテンツ視聴と性的満足度への影響:男女差、文化差なども
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「性機能障害」と「カップルの関係性」への影響
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マイオピニオン(総合的な私個人の考えや意見)
「アダルトコンテンツの見過ぎは性機能に悪い」は本当?
アダルトコンテンツ視聴と性機能障害の関連について、一般的に広がっているイメージには、以下のようなものがあるかもしれません。読者の皆さんも、そう思っていたり、そう感じていたりする方もいらっしゃるのではないでしょうか?
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見すぎると実際の性行為で興奮しづらくなるのではないか
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アダルトコンテンツの過激な内容に慣れすぎて勃起しづらくなる
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セックスに対する期待が現実離れし、パートナーとの関係に支障が出る
特に若い世代が簡単にポルノ動画を見られるようになったことで、ポルノを通じて性について学んでしまうと、現実の性行為とのギャップに戸惑いを感じたり、ポルノ動画内のように性行為をできなければいけないのではないかと不安を抱いたりするケースもあるかもしれません。
また、ポルノ依存のような状態になり、日常生活や人間関係に支障をきたすのではないかという心配もあるようです。ポルノはとんでもなく強い刺激を脳に与えますからね。。
これらはどれも、実感や不安として語られることが多く、確かに直感的には理解しやすい内容です。かくいう私も、そういうイメージを持っています。
ただ、こういった関連性を客観的に考える場合、大切なのは「ポルノの視聴頻度」や「ポルノの視聴時間」といった“曝露量”と、“性機能障害”とのあいだに因果関係があるのかどうか、という点です。これが成立しないと、「アダルトコンテンツの見過ぎは性機能に悪い」と断定(またはそれに準ずるくらいの確度で言及)はできないですからね。
さらに近年では、単に「どれだけ見ているか」だけでなく、「ポルノ視聴について、自分がどのように感じているか」が、実際の性機能や満足度にどのように影響しているのかが注目されているのです。
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