自宅で子宮頸がん検査をできる日が来るかも? 最新フェムテック解説
本ニュースレターでは、女性の健康や産婦人科医療に関わるホットトピックや社会課題、注目のサービス、テクノロジーなどについて、産婦人科医・重見大介がわかりやすく紹介・解説しています。「○○が注目されているけど、実は/正直言ってxxなんです」というような表では話しにくい本音も話します。
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子宮頸がん。
女性にとってやっかいな病気で、多くのがんとは異なり20代でも発症する人が増えてきて、30-40代で仕事のキャリアを楽しんでいる、妊娠・出産・子育てをしているといった女性が診断されることも医療現場では少なくありません。
ただ、定期検診で予防や早期発見ができる疾患でもあり、日本でも2年に1回の定期検診が20歳以上の女性には推奨されています。しかしながら、検査を受けるのは身体的・時間的に負担があり、その受診率は高いとは言えません。
今回は、そんな課題を解決できるかもしれない「自宅での子宮頸がん検査器具」について、米国のフェムテック企業の取り組みを紹介します。
この記事でわかること
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子宮頸がん検査の概要
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日本で子宮頸がん検診を受けている人の割合
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子宮頸がんの自己検査とはどのようなものか
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米国FDAの革新的医療機器認定を取得したフェムテック企業の製品とはどのようなものか
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現在進行中の臨床試験
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マイオピニオン(総合的な私個人の考えや意見)
子宮頸がん検査ってどんな検査?
まず、子宮頸がん検査は具体的にそのようなものか、簡単におさらいしておきましょう。
子宮頸がん検査ではまず、自覚症状や月経の状態、出産経験や婦人科に関わる病気の有無などについて問診または問診表の記載をします。診察・検査する行う上でとても大事な情報になりますので、もれなく伝えてくださいね。
次に、診察・検査(細胞診)の流れについて説明します。
スムーズに行けば、2-3分で終わります。
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下着を脱ぎ、内診台(診察用の椅子)に乗ります
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台が動いて、仰向け&膝を開いた体勢になります
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子宮頸部を観察するための器具(通常「クスコ」と呼びます)を腟内に入れます
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子宮頸部を検査用のブラシ等で擦ります
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腟側とお腹側から両手で挟むように、子宮・卵巣の形や大きさを確認します
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場合によっては超音波検査を実施します(通常、オプション扱いです)
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台が下がり、診察終了となります
*内診自体については以下の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。
ブラシ等で擦って採取した細胞を、検査に出し、顕微鏡で詳しく観察するなどして、細胞に異常がないかどうかを確認します。結果はおよそ1~2週間後にわかります。結果は郵送してもらうか、再受診時に説明を聞くかなど、医療機関や検診施設によって異なります。
なお、最近では子宮頸がん検査として「HPV検査」が実施されることも徐々に増えつつありますが、子宮頸部の細胞を採取して検査をするという手順自体は同じです。