妊娠中〜産後の筋トレ・運動を徹底解説! 〜具体的なメニューや注意点など〜
本ニュースレターでは、女性の健康や産婦人科医療に関わるホットトピックや社会課題、注目のサービス、テクノロジーなどについて、産婦人科医・重見大介がわかりやすく紹介・解説しています。「○○が注目されているけど、実は/正直言ってxxなんです」というような表では話しにくい本音も話します。
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筋力トレーニング(筋トレ)は、「筋肉を鍛える」というイメージですが、実は筋力増強以上のメリットもたくさんあり、睡眠の質・気分の向上・体重管理など得られる効果はさまざまです。そして、これは妊娠中や産後も同様で、この時期に特有のメリットもあれば、注意点も存在します。有酸素運動も然り、ですね。
本ニュースレターでは、妊娠中〜産後の女性における筋トレ・運動の効果と安全性を、最新の研究エビデンスにもとづき、わかりやすく実践的に解説します。体力差や運動習慣の違いに配慮し、無理のない範囲で続けるコツや「やめ時」のサイン、日本ではまだ足りていない「医療従事者とトレーナーの連携」にも言及します。
1万字を超えた決定版ともいえる内容なので、ぜひ最後までご覧ください!
この記事でわかること
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妊娠中の筋トレは安全なのか
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筋トレ・運動で期待できる良い変化
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効果を出すためのプログラム設計
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リスク管理と“やめ時”のサイン
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妊活期・妊娠各期・産後それぞれでのポイント
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医療従事者向けの資料リンク(海外のガイドライン等)
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私がジムやトレーナーさんと連携したいこと
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マイオピニオン(総合的な私個人の考えや意見)
妊娠中の筋トレは安全なの?
結論から言えば、「医師の許可があり、体調に合わせて実施する」ことを前提に、妊娠中の筋力トレーニング(以下、筋トレ)は安全かつ有益であることが多くの研究やガイドラインで示されています。
2025年に公開された最新のレビュー論文(文献1)では、妊婦さんを対象とした複数の臨床試験(無作為化比較試験)をまとめ、約1600名のデータを対象に、筋トレが生活の質(QOL)や関連する健康指標に与える影響を分析しています。
これをみると、多くの研究で、以下のような日常生活に直結するメリットが示されました。
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妊娠中の過度な体重増加の抑制
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腰背部痛の軽減
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睡眠や気分の改善
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活動量や筋力の向上
他にも、帝王切開となる率の低下や、分娩時間の短縮などを報告した論文もあります。
なお、重要なのは、ほぼすべての臨床試験で「専門家の監督下でのプログラム」とされていた点です。つまり、妊婦さん特有の身体変化や症状に配慮し、姿勢や疲労、呼吸の乱れをこまめに確認しながら進めることが前提になっています。
私もこの重要性には同意で、非常に軽い筋トレならまだしも、それなりの強度や全身を使うような筋トレを始める前には、少なくともしっかりした知識を持っておくことが大切で、できればトレーナーさんと一緒に実施していくことが理想的だと考えています。
とはいえ、安全に皆さんがトレーニングをできるよう、ここからは以下について詳しく解説していきます。
妊活中の方や妊婦さん、トレーニング好きな女性、そしてトレーナーさんや産科医療に関わる方々にもぜひ最後まで読んでいただきたい内容です。
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効果的な筋トレ方法
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期待できる良い効果
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リスク管理と“やめ時”のサイン
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妊活期・妊娠各期・産後でのポイント
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医療従事者とトレーナーへのメッセージ
提携媒体
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