【ひとり語り】日本の少子化について思うこと

今回は、少子化について個人的な考えや思いを語ります。私は歴史学や人類学、政治の専門家ではないので、あくまでもひとり語りとしてお読みください。
重見大介 2023.11.10
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この記事でわかること

  • 日本の少子化の経緯や現状

  • 少子化について考える:歴史学の視点

  • 少子化について考える:人類学の視点

  • 少子化について考える:生物学の視点

  • 日本に必要な「少子化対策」とは

  • 少子化が進んでも幸せに生きられる社会や個人の価値観とは

  • 人工子宮や遺伝子工学といった技術革新が少子化に与える影響について

  • 総合的な考察

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日本の少子化

ご存知の通り、日本では凄まじい勢いで少子化が進んでいます。

下図の通り、年間出生数は1970年後半からどんどん減っており、併せて合計特殊出生率も低下し続けています。

2022年の出生数は77万747人となり、初めて80万人台を割り込みました。さらに、厚生労働省は2023年の上半期の出生数が約35万2000人(去年の4.1%減)だったと発表しました。「出産する世代の女性」の人数自体がどんどん減っているので、今後ますます減少していくことは確実です。

*合計特殊出生率:人口に対して生まれた子どもの数を表す指標の一つ。 その年次の15 歳から49 歳までの女性の年齢別出生率を合計したもので、1 人の女性が仮にその年次の年齢別出生率で一生の間に子どもを生むとしたときの子どもの数に相当する。

内閣府資料より引用。https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/future/sentaku/s3_1_2.html

内閣府資料より引用。https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/future/sentaku/s3_1_2.html

内閣府の資料には、「80年代以降の少子化の要因」として、以下の2点が書かれています。

  • 非婚化・晩婚化・晩産化

  • 女性の社会進出・価値観の多様化

確かに、これらは少子化を促進する要因として妥当なものと思います。これに加えて、「子どもを産み育てやすい国だと思えない」ことも大きいでしょう。

少子化についていくつかの視点で考えてみる

私自身は専門家ではないものの、歴史学、人類学、生物学などの多角的な視点から見ると、色々と思うことが出てきます。

歴史学の視点

  • 歴史的背景:
    過去の人口動態を見ると、工業化、都市化、教育水準の向上などが少子化に影響を与えてきた。日本の現状も、これらの長期的な社会的・経済的動向の一環と見ることができるでしょう。

  • 他国との比較:
    他国の事例を見ると、特定の時期に少子化が進行し、その後自然に回復するケースもある。これは、政策や文化の変化が人口動態に影響を与えることを示していることになります。

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