未来の産婦人科医療を妄想してみる(3) 〜プレコンセプションケアや不妊治療編〜
今回はプレコンセプションケアや不妊治療に関する産婦人科医療の未来を妄想してみます。20-40代の女性にとって、プレコンセプションケアや不妊治療がどうなっていくのか、一緒に考えてみましょう。
以下の描写は、あくまでも私が未来を想像して書いたものです。一つの可能性を示す物語としてお読みください。
未来のプレコンセプションケア
今から約50年後の2070年、テクノロジーが日常生活に深く根ざした未来です。この時代、私たちは人工知能(AI)を搭載したデバイスを日々の生活に欠かせないものとして使用しています。IoT(Internet of Things:あらゆるモノがインターネット・ネットワークで接続している状態)の発展により、デバイス間のコミュニケーションは瞬時に行われ、医療の世界も大きく変貌を遂げていました。
テクノロジーが日常の一部となったこの時代において、妊娠やプレコンセプションケアに関する情報提供は、学童期から始まります。これは、将来的に子どもを持つことを望む/その可能性があるすべての人々が、健康な妊娠・出産を迎えられるようにという願いから生まれました。
今回はまず、学童期から提供される妊娠やプレコンセプションケアの情報が、主人公エリの人生にどのように影響を与えたのかをご紹介します。
エリが小学生だった頃、彼女の学校では「健康とライフステージ」という授業がありました。この授業では、身体の成長、栄養、運動、病気の予防手段(HPVワクチン接種や適切ながん検診含む)、子宮内膜症やクラミジア感染など不妊の原因となり得る病気、そして将来の家族計画(family planning)に至るまで、幅広いテーマが取り扱われます。
特に注目されたのは、プレコンセプションケアに関する部分。AIアシスタントを用いて、子どもたち一人ひとりが自分の健康状態を理解し、未来の妊娠に向けてどのような準備ができるかを学びます。このAIアシスタントは、ただ情報を提供するだけでなく、子どもたちが持つ疑問に対しても、年齢に応じた適切な答えを返すことができるのです。