未来の産婦人科医療を妄想してみる(3) 〜プレコンセプションケアや不妊治療編〜

医療は日進月歩です。AIの発展は目覚ましいですし、日本でも徐々に遠隔医療は広がり、国内外でリモート手術の可能性についての検討も進んでいます。数十年後の産婦人科医療はどうなっているのでしょうか。
今回はプレコンセプションケアや不妊治療に関する産婦人科医療の未来を妄想してみます。20-40代の女性にとって、プレコンセプションケアや不妊治療がどうなっていくのか、一緒に考えてみましょう。
重見大介 2024.03.03
サポートメンバー限定

以下の描写は、あくまでも私が未来を想像して書いたものです。一つの可能性を示す物語としてお読みください。

未来のプレコンセプションケア

今から約50年後の2070年、テクノロジーが日常生活に深く根ざした未来です。この時代、私たちは人工知能(AI)を搭載したデバイスを日々の生活に欠かせないものとして使用しています。IoT(Internet of Things:あらゆるモノがインターネット・ネットワークで接続している状態)の発展により、デバイス間のコミュニケーションは瞬時に行われ、医療の世界も大きく変貌を遂げていました。

テクノロジーが日常の一部となったこの時代において、妊娠やプレコンセプションケアに関する情報提供は、学童期から始まります。これは、将来的に子どもを持つことを望む/その可能性があるすべての人々が、健康な妊娠・出産を迎えられるようにという願いから生まれました。

今回はまず、学童期から提供される妊娠やプレコンセプションケアの情報が、主人公エリの人生にどのように影響を与えたのかをご紹介します。

エリが小学生だった頃、彼女の学校では「健康とライフステージ」という授業がありました。この授業では、身体の成長、栄養、運動、病気の予防手段(HPVワクチン接種や適切ながん検診含む)、子宮内膜症やクラミジア感染など不妊の原因となり得る病気、そして将来の家族計画(family planning)に至るまで、幅広いテーマが取り扱われます。

特に注目されたのは、プレコンセプションケアに関する部分。AIアシスタントを用いて、子どもたち一人ひとりが自分の健康状態を理解し、未来の妊娠に向けてどのような準備ができるかを学びます。このAIアシスタントは、ただ情報を提供するだけでなく、子どもたちが持つ疑問に対しても、年齢に応じた適切な答えを返すことができるのです。

この記事はサポートメンバー限定です

続きは、3625文字あります。

下記からメールアドレスを入力し、サポートメンバー登録することで読むことができます

登録する

すでに登録された方はこちら

提携媒体・コラボ実績

読者限定
新しい経口避妊薬「スリンダ」ってどんな薬?どこよりも詳しく徹底解説!
サポートメンバー限定
社会的卵子凍結の最新データ 〜卵子利用率や出生率の実際、成功因子とは〜...
読者限定
気圧による体調不良、なぜ起こる? 〜男女差や対処法まで徹底解説〜
サポートメンバー限定
【後編】避妊について徹底考察!〜未来の避妊法:男性用避妊、開発中の新技...
サポートメンバー限定
【前編】避妊について徹底考察!〜近代の避妊法とこれまでの歴史を振り返る...
読者限定
「年間出生数70万人割れ」「児童虐待数が過去最多」に思うこと
サポートメンバー限定
【募集質問への回答】無痛分娩の種類、性交時に濡れやすくて困る、胎児の細...
サポートメンバー限定
【募集質問への回答】自己免疫性疾患とピル服用、分娩費用の保険適用化、予...