性教育シリーズ② 〜セックスってなに?〜
性教育シリーズの第2回目として、今回は子どもに「セックスってなに?」と聞かれた場合の答え方を考えていきましょう。
本ニュースレターでは、女性の健康や産婦人科医療に関わるホットトピックや社会課題、注目のサービス、テクノロジーなどについて、産婦人科医・重見大介がわかりやすく紹介・解説しています。「○○が注目されているけど、実は/正直言ってxxなんです」というような表では話しにくい本音も話します。
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この記事でわかること
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「包括的性教育」とはどういうものか
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伝えるときのポイント(1) 年齢に合わせた適切な説明をする
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伝えるときのポイント(2) 安全で開かれた環境を作る
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伝えるときのポイント(3) 偏見やステレオタイプのない説明を心がける
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伝えるときのポイント(4) 気持ちや価値観を尊重する
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具体的な答え方の例(8〜12歳くらいの子どもに聞かれた場合を想定)
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NGな回答例
「包括的性教育」のおさらい
日本で多くの人がイメージする「性教育」は、「性に関する知識やスキル」として、妊娠・出産の仕組みや避妊、性感染症予防を教える(学ぶ)ことかもしれません。
しかし、「包括的性教育」はこれとは異なる概念です。国際的に広く認知・推進されている、「性に関する知識やスキルだけでなく、人権やジェンダー観、多様性、幸福を学ぶ」ための重要な概念なのです。英語ではcomprehensive sexuality education (CSE) などと表現されます。
詳細は以前の記事にまとめたので、まだ読んでないという方はぜひ先にご覧ください。
今回のテーマは、子どもに「セックスってなに?」と聞かれた際の答え方です。きっと多くの保護者の方が「性教育をするとこうした質問をされて困りそうだから踏み出せない」と思っているのではないでしょうか。
なお、今回は小学生(8〜12歳)くらいの年代の子どもからの質問を想定しています。では、まず4つのポイントをお伝えしていきます。そして最後に回答例を紹介します。
ポイント(1) 年齢に合わせた適切な説明をする
セックスは関連する話題も多く、センシティブで、大人どうしでも普段あまり口にしない話題のため、話しにくいものです。また、小学生くらいの子どもに必要十分な情報がわかりにくいという懸念もあるでしょう。当然、大人どうしで話すようなセックスの情報を全てそのまま子どもに伝える必要はありません。
よって、子どもの年齢や成熟度に応じて、どのような情報を伝えるかが重要になります。
小学生には、
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セックスとはどういう行為か
基本的に、好きな人どうしが体どうしをくっつけること。セックスで男性のペニスを女性の腟に入れることで精子と卵子が受精して赤ちゃんができる。 -
どのような役割を果たすのか
・愛情表現
・妊娠 -
注意点
・双方の同意が必須(プライベートゾーンについても伝えましょう)
・妊娠の可能性と若年妊娠の危険性(高学年の場合)
・性感染症など病気のこと(高学年の場合)
・支配的/暴力的なものも存在する(高学年の場合)
などに関する基本的な説明をする形が適切です。
なお、「男性のペニスを女性の腟に挿入することで精子と卵子が受精して赤ちゃんができる」という事実は、この年代の子どもに教える内容として包括的性教育のガイダンスにも含まれています。事実をそのまま伝えてあげましょう。ただし、ここでセックスの詳細な方法まで具体的に説明する必要はありません。
この記事は無料で続きを読めます
- ポイント(2) 安全で開かれた環境を作る
- ポイント(3) 偏見やステレオタイプのない説明を心がける
- ポイント(4) 気持ちや価値観を尊重する
- 具体的な答え方の例
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