性教育シリーズ(4) 〜自分を守るためのパーソナルスペースとプライベートゾーン〜
最近では性教育に注目が集まりつつあり、書籍やネット記事も増えてきています。でも、まだまだ「性教育って何したらいいかわからない」「自然に覚えていくものでは?」と思っている人もいるのではないでしょうか。
性教育シリーズの第4回目として、今回は子どもを守るために重要な「パーソナルスペース」と「プライベートゾーン」について考えていきましょう。
この記事でわかること
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「包括的性教育」とはどういうものか
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「パーソナルスペース」と「プライベートゾーン」の違い
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伝えるときのポイント(1) 自分と相手のパーソナルスペースを守ること
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伝えるときのポイント(2) 自分と相手のプライベートゾーンを守ること
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伝えるときのポイント(3) コミュニケーションにおける境界線
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伝えるときのポイント(4) 状況に応じた対応方法
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具体的な伝え方の例
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NGな伝え方の例
「包括的性教育」のおさらい
日本で多くの人がイメージする「性教育」は、「性に関する知識やスキル」として、妊娠・出産の仕組みや避妊、性感染症予防を教える(学ぶ)ことかもしれません。
しかし、「包括的性教育」はこれとは異なる概念です。国際的に広く認知・推進されている、「性に関する知識やスキルだけでなく、人権やジェンダー観、多様性、幸福を学ぶ」ための重要な概念なのです。英語ではcomprehensive sexuality education (CSE) などと表現されます。
詳細は以前の記事にまとめたので、まだ読んでないという方はぜひ先にご覧ください。
「パーソナルスペース」とは?
一般的に、その人が周囲の人々との間に保持したいと感じる「物理的な距離」のことです。この空間は、安全性、快適さ、個人的な境界の感覚(バウンダリー)を維持するために重要です。きっと皆さんにも、「親しくない人にはこれ以上近づかれると嫌だな」とか「いくら友だちでもこのくらいまでの距離がストレスなくて心地よいな」という感覚や距離があると思います。
人がどれだけのパーソナルスペースを必要とするかは、文化的背景、社会的状況、個人的な好み、その時の心理状態などによって変わります。パーソナルスペースは、他人と関わる上で重要な役割を果たし、それが一方的に破られる(=近くに来られすぎる)と不快感やストレスを感じてしまいます。
まだ幼少期にはこの感覚が乏しいことが多いですが、それでも直感的にパーソナルスペースを持っている子どももいますし、特によく知らない人に対して物理的な距離を保つことは性被害等を避けるためにも役立ちます。
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