産婦人科医が伝えたい「オーガズム」の実際と大事なこと

性行為を経験したことのある女性でも、オーガズムを感じたことがあるかどうかは人それぞれでしょう。これまでの医学研究による知見を踏まえ、オーガズムの基本、種類、感じにくくなる要因、対策などを産婦人科医視点でお伝えします。
重見大介 2023.04.01
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こんにちは。本ニュースレターでは、女性の健康や産婦人科医療に関わるホットトピックや社会課題、注目のサービス、テクノロジーなどについて、産婦人科医・重見大介がわかりやすく紹介・解説しています。「○○が注目されているけど、実は/正直言ってxxなんです」というような表では話しにくい本音も話します。

詳細は以下をご覧ください。

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この記事でわかること

  • そもそもオーガズムとは何か

  • オーガズムに達すると何が起きるか

  • オーガズムの主な4つの種類

  • オーガズムを得られやすい女性や環境の特徴

  • オーガズムに達することができない女性はどのくらいいるのか

  • 「オーガズム障害」について

  • オーガズムが得られないことへの対処法

  • マイオピニオン(総合的な私個人の考えや意見)

***

そもそもオーガズムとは?

オーガズムという言葉を聞いたことがあっても、それを具体的に説明できる方は意外に少ないのではないでしょうか。「イク」という表現がよくされますが、具体的には「身体が性的な緊張や圧力から解放され、性的興奮が最高潮に達した状態」のことです。オーガズムに達すると、女性器だけでなく全身にとても強い快感を得られ、これが数秒間続きます。

オーガズムは、自慰行為(セルフプレジャー)やパートナーとのセックス時に起こることがあります。実は、身体の性的な反応サイクルは4段階あり、そのうちの1つとされています。

【性的反応サイクル(4段階)】
①欲望(リビドー)
②興奮
③オーガズム
④消退(Resolution)

オーガズムに達すると何が起きる?

オーガズムに達すると、体内ではドーパミンオキシトシンというホルモン物質が分泌されます。これらのホルモンは、幸福感などのポジティブな感情を高め、「ストレスホルモン」と呼ばれるコルチゾールの影響を緩和する働きがあります。

結果として、男女ともに以下のような身体の反応が生じます。

・性器周辺の筋肉の素早くリズミカルで強い収縮
・心拍数、呼吸数、血圧の増加/上昇

これは、セックスの場合もセルフプレジャーの場合も同様です。

初めてオーガズムを感じた女性は、頭がぼーっとしたり、筋肉の痙攣のような収縮が起きてびっくりしてしまうかもしれませんが、身体にとって悪い影響はありませんのでご安心ください。

なお、女性はオーガズムを比較的長時間維持することができ、オーガズムに至った直後であっても、さらなる性的刺激により再度オーガズムに達することができます。
一方で、通常、男性は連続してオーガズムには至れません。

オーガズムに達した後は、数分間かけて身体はゆっくりと普段の状態に戻ります。その途中では、性器や肌が敏感になっていることも多く、触られると不快に感じることがあるのでパートナーにもきちんと伝えておきましょう。

また、満足感、リラックス感、心地よい疲労感を感じる人も多いです。

前述の通り、人によっては、オーガズムの数分後に再び性的な興奮を覚えることがあり、何度もオーガズムを感じることができます。再びオーガズムを感じるまでにかかる時間は個人差があるので、繰り返しオーガズムに達することができなくても心配はいりません。

オーガズムの種類

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