セックスの頻度が閉経時期に影響するってほんと?
女性の生活において、閉経は大きな節目の一つです。しかし、閉経時期は個人によって異なり、それに影響する要素についてはまだ十分に理解されていないことが多いのが現状です。
ただ、最近の研究から、セックスの頻度が閉経時期に影響を及ぼす可能性があることが示唆されています。この気になる関連性について、科学的な視点から検証してみましょう。
この記事でわかること
-
一般的な閉経時期
-
自然な閉経時期に影響を与える要素とは
-
セックスの頻度が閉経時期に影響を与えるかもしれない理由
-
代表的な研究の結果
-
なぜそのような結果になったと考えられるのか(メカニズム)
-
マイオピニオン(私個人の考えや意見)
一般的な閉経時期はいつ頃?
卵巣の活動が加齢に伴って徐々に弱まり、月経がこない状態が1年間続いた時に、1年前を振り返って「閉経した」と判断します。個人差はありますが、日本の平均閉経年齢は約50.5歳とされており、閉経をはさんだ前後5年間の約10年間のことを「更年期」といいます。
なお、これは「自然閉経」の場合です。中には、子宮筋腫やがんの治療で、閉経前に左右の卵巣を摘出する場合もあり、その場合には「人工的な閉経」として通常より早めに閉経となります。
また、「早発卵巣不全」という疾患もあります。これは「40歳未満で卵巣機能が低下して無月経(月経が3ヶ月以上無い状態)となった状態」のことで、発生頻度は低いものの心身に大きな影響を与えます。
「早発卵巣不全」については以下の記事もご参照ください。
自然な閉経時期に影響を与える要素には何がある?
女性が持つ卵胞(卵子を包む袋のようなもの)の数は、生まれる前(つまり胎児期)にすでに決まっており、出生時点で数百万個ありますが、これは有限で生まれた後には増えません。思春期になる時点で、卵胞の数は約40〜50万個まで減少し、卵胞が残り1000個未満になると閉経するとされています。(文献1)
なお、自然な閉経時期には、異なる国や文化間でも大きな差があります(文献2)。生まれつきの卵胞の数には遺伝的な要因が主に影響を与えているものの、遺伝的ではない要素が閉経時期に影響を与えることもわかってきています。
例えば、喫煙習慣や教育水準(経済状況の指標)、婚姻状態など、いくつかのライフスタイルや生活環境が閉経時期と関連していることが報告されています。(文献3,4)
ちなみに、日本人は比較的閉経時期が遅いほうだと考えられています。(文献4)