妊娠中のセックス(性行為)、みんなはどのくらいしてるの?
妊娠中のセックス。
「妊娠中は不安だしそんなことしたくない」という方もいれば、「やっぱりパートナーとは妊娠中でもセックスしていたい」と思う方もいるでしょう。セックスの好き嫌いや、コミュニケーションの手段としてどう捉えているかは、人それぞれです。
妊娠中のセックスに関するさまざまな研究から、妊娠期間においてセックスの頻度がどのように変化するかについて少しずつ明らかになってきています。また、妊娠中に抱える症状や個人の要因がセックスの頻度に及ぼす影響についても考察されています。
今回は、「妊娠中のセックスって、みんなはどのくらいしてるのか」について学術的にお伝えします。
この記事でわかること
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妊娠中のセックスはそもそもしていいのか
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妊娠中のセックスの頻度はどのように変化するのか
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個人的な要因(人種、生活環境、性的指向など)はセックスの頻度にどう影響するのか
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妊娠中のセックスと心理的なストレスについて
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妊娠中の自慰行為についてわかっていること
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マイオピニオン(私個人の考えや意見)
妊娠中のセックスはそもそもしていい?
妊娠中のセックスの頻度の変化について考える前に、妊娠中のセックス(他の性行為含む)は本当に安全なのか、についてざっくりお伝えしたいと思います。(より詳細は次のニュースレターで扱おうかなと思っていますのでお楽しみに)
結論から言いますと、「妊娠中のセックスは基本的に問題なし」となります。
基本的に、と付けたのにはきちんと理由があり、以下の点には注意が必要です。
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切迫流産や切迫早産、頸管無力症と診断されている場合は避ける(流産や早産のリスクが高いと判断されているので余計な刺激は増やしたくない)
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胎盤の位置が低い(前置・低置胎盤)と診断されている場合は避ける(性行為によって子宮から出血してしまうリスクが高いため)
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腹部を圧迫するような体位、痛みを感じる体位は避けるべき(とにかく安全第一で)
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できるだけコンドームを使いましょう(雑菌が腟に入ることで腟炎や子宮内感染のリスクがあるし、万が一にも性感染症は起こしたくないため)
上記を守り、きちんとお互いの気持ちや同意を確認してから、セックスをするようにしてくださいね。
妊娠中のセックスの頻度はどのように変化する?
妊娠中のセックスの頻度やパターンに関するいくつか研究から、(限られたデータではありますが)実態が少しずつ明らかになっています。従来の認識では「妊娠中はセックスの頻度が減少するだろう」と考えられてきましたが、実際にはその変化は画一的なものではなさそうなのです。
たとえば、2010年に発表された論文では、合計188人の女性を対象に調査し、以下のような結果が示されています。(文献1)