子宮内膜症の早期発見・診断が可能に?最新のフェムテックを解説
今回は、子宮内膜症の早期発見の重要性と、この新たな2つのフェムテックの可能性について産婦人科医の目線で解説します。
こんにちは。本ニュースレターでは、女性の健康や産婦人科医療に関わるホットトピックや社会課題、注目のサービス、テクノロジーなどについて、産婦人科医・重見大介がわかりやすく紹介・解説しています。「○○が注目されているけど、実は/正直言ってxxなんです」というような表では話しにくい本音も話します。
詳細は以下をご覧ください。
この記事でわかること
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子宮内膜症はどんな病気か
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子宮内膜症の発見・診断までにどのくらいの時間がかかるか
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新たな検査方法①:尿検査で診断
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新たな検査方法②:画像検査結果をAI解析して診断
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マイオピニオン(私個人の考えや意見)
子宮内膜症ってどんな病気?
子宮内膜症(endometriosis)は、10代〜40代女性の約1割が患っていると考えられている病気で、子宮の内側(内腔)にある「子宮内膜」という組織が骨盤内の別の部位に発生してしまうものです。月経のたびに骨盤内の様々な部位で炎症や出血が起こってしまい、痛みを引き起こします。
最も代表的な症状は「ひどい月経痛」「月経痛の増強」で、「痛み止めを飲んでも痛みが取りきれない月経痛」や「年々悪化する月経痛」は子宮内膜症を疑うサインです。なお、月経痛以外にも腰痛や性交痛、排便痛などが起こることもあります。
また、影響は「痛み」だけではありません。炎症によって骨盤内の様々な部位に癒着(ゆちゃく)が生じ、臓器どうしがくっついてしまいます。癒着によって卵管の通りが悪くなったりすると不妊に繋がります。子宮内膜症と診断された女性の30〜50%が不妊だったというデータもあります。

https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/endometriosis/symptoms-causes/syc-20354656
より詳しい説明や発症メカニズムについては、以下のニュースレター記事をご覧ください。
子宮内膜症って発見・診断までに時間がかかるの?
英国では、症状の発症から診断を受けるまでに平均8年かかるとされています。
これだけ診断までに長期間を要する理由として、
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病巣が骨盤内に発生しても目に見えないため気付けない
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初期はあまり症状が強く出ない
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進行してくると月経痛の悪化や骨盤痛などを引き起こすが、まずは痛み止めで様子をみてしまうことが多い(すぐに産婦人科を受診する人は少ない)
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確実な診断には病巣を摘出して顕微鏡で観察する必要があり、血液検査や超音波検査で確定診断できない病気である
などが挙げられます。
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