皆さんに知っておいてほしい産婦人科の怖い話(4) 〜卵巣捻転〜
産婦人科医として診療にあたっていると、ときどき「冷や汗が止まらないくらいの緊急事態」に出くわすことがあります。いずれもそうした事態を回避するために患者・医師双方にできることがあると思っているので、私自身の経験をベースにした架空の事例を通じて「産婦人科の怖い話」を紹介します。
今回は「卵巣捻転」です。
この記事でわかること
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「卵巣捻転」の事例紹介(実体験をもとにした架空の事例)
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卵巣捻転とはどんな病気か
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発症のリスク因子
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早期発見のためのサイン(症状)
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病院での治療法
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マイオピニオン(私個人の考えや意見)
事例紹介(実体験をもとにした架空の事例)
*以下は私が作った架空の事例で、一般化したものです。
発症〜救急搬送
28歳のグラフィックデザイナーであるアンナさん(仮名)は、ある夜、強い下腹部痛に襲われ、救急車を呼び近くの病院へ搬送されました。
実は、1週間前から、断続的な軽い腹痛を感じていましたが、自然に改善することを繰り返していたため、様子を見ていたのでした。しかし、その日の朝、彼女は左側の下腹部に突然の鋭い痛みを感じて目覚めました。痛みは徐々に増していき、いつもとは異なる印象でしたが、これを便秘(普段から便通が悪い時期は下腹部痛をよく感じていたため)によるものと考えていました。しかし、日中には少しおさまっていた痛みが夜になって強くなり、同時に吐き気も加わり、立っていられなくなったため、救急車を自ら呼んだのでした。
搬送先の病院では救急外来に通され、そのまま血液検査や腹部の超音波検査、CT検査などが実施されました。あまりに痛みが強そうだったことから、痛み止めが点滴で投与されました。状況から、何か怖い病気なのかなと朦朧とした意識の中でアンナさんは恐怖を感じていました。
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- 卵巣捻転とは
- 発症のリスク因子
- 早期発見のためのサイン(症状)
- 病院での治療法
- マイオピニオン(私個人の考えや意見)
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