皆さんに知っておいてほしい産婦人科の怖い話(5) 〜卵巣出血〜
産婦人科医として診療にあたっていると、ときどき「冷や汗が止まらないくらいの緊急事態」に出くわすことがあります。いずれもそうした事態を回避するために患者・医師双方にできることがあると思っているので、私自身の経験をベースにした架空の事例を通じて「産婦人科の怖い話」を紹介します。
今回は「卵巣出血」です。
この記事でわかること
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「卵巣出血」の事例紹介(実体験をもとにした架空の事例)
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卵巣出血とはどんな病気か
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発症のリスク因子
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早期発見のためのサイン(症状)
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病院での治療法
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マイオピニオン(私個人の考えや意見)
事例紹介(実体験をもとにした架空の事例)
*以下は私が作った架空の事例で、一般化したものです。
発症〜救急搬送
ある春の日の夕方、28歳のアイコは、いつものようにデザインスタジオでの仕事を終えました。彼女はグラフィックデザイナーとして、日々新しいプロジェクトに挑戦し、創造性を発揮することに生きがいを感じていました。その日も例外ではなく、新しいキャンペーンの提案に頭を悩ませ、時にはインスピレーションを求めて窓外の街並みを眺めては、自分のアイデアを形にしていました。
仕事が一段落した夜、アイコは週末に友人と遊ぶ計画を立てていました。久しぶりの再会を楽しみにしていた彼女は、レストランや映画のことを考えながらスタジオを出た直後、突然、右下腹部に激しい痛みが走りました。この痛みはこれまで経験したことのないタイプのもので、道でうずくまってしまいました。
当初、アイコは痛みが一時的なものだと考え、家に帰って休めば治るだろうと楽観視していました。しかし、痛みは時間が経つにつれて強さを増し、吐き気も出てきて、意識がやや朦朧としてきたため、「何かがおかしい。盲腸かな。」と考え、救急車を呼びました。
受診〜治療
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- 卵巣出血とは
- 発症のリスク因子
- 早期発見のためのサイン(症状)
- 病院での治療法
- マイオピニオン(私個人の考えや意見)
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