皆さんに知っておいてほしい産婦人科の怖い話(5) 〜卵巣出血〜

「卵巣出血」という疾患を聞いたことがあるでしょうか。卵巣付近の血管から出血が起こり、場合によってはお腹の中に多量出血が溜まって緊急手術を要する疾患です。閉経前の女性なら誰にでもいつでも起こり得る疾患なので、ぜひどんな疾患か、早期発見のポイントは何か、治療はどうなるか、などを知っておきましょう。
重見大介 2024.03.18
読者限定

産婦人科医として診療にあたっていると、ときどき「冷や汗が止まらないくらいの緊急事態」に出くわすことがあります。いずれもそうした事態を回避するために患者・医師双方にできることがあると思っているので、私自身の経験をベースにした架空の事例を通じて「産婦人科の怖い話」を紹介します。

今回は「卵巣出血」です。

***

この記事でわかること

  • 「卵巣出血」の事例紹介(実体験をもとにした架空の事例)

  • 卵巣出血とはどんな病気か

  • 発症のリスク因子

  • 早期発見のためのサイン(症状)

  • 病院での治療法

  • マイオピニオン(私個人の考えや意見)

***

事例紹介(実体験をもとにした架空の事例)

*以下は私が作った架空の事例で、一般化したものです。

発症〜救急搬送

ある春の日の夕方、28歳のアイコは、いつものようにデザインスタジオでの仕事を終えました。彼女はグラフィックデザイナーとして、日々新しいプロジェクトに挑戦し、創造性を発揮することに生きがいを感じていました。その日も例外ではなく、新しいキャンペーンの提案に頭を悩ませ、時にはインスピレーションを求めて窓外の街並みを眺めては、自分のアイデアを形にしていました。

仕事が一段落した夜、アイコは週末に友人と遊ぶ計画を立てていました。久しぶりの再会を楽しみにしていた彼女は、レストランや映画のことを考えながらスタジオを出た直後、突然、右下腹部に激しい痛みが走りました。この痛みはこれまで経験したことのないタイプのもので、道でうずくまってしまいました。

当初、アイコは痛みが一時的なものだと考え、家に帰って休めば治るだろうと楽観視していました。しかし、痛みは時間が経つにつれて強さを増し、吐き気も出てきて、意識がやや朦朧としてきたため、「何かがおかしい。盲腸かな。」と考え、救急車を呼びました。

受診〜治療

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続きは、3094文字あります。
  • 卵巣出血とは
  • 発症のリスク因子
  • 早期発見のためのサイン(症状)
  • 病院での治療法
  • マイオピニオン(私個人の考えや意見)

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