女性の健康に役立つ漢方薬!〜具体例から注意点まで総まとめ〜

漢方薬は、産婦人科でもよく活用されており、女性の健康の大きな味方になり得る存在です。今回は、漢方薬の基本から産婦人科でよく処方される種類、使用する上でのポイントや注意点をまとめました。
重見大介 2023.07.15
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こんにちは。本ニュースレターでは、女性の健康や産婦人科医療に関わるホットトピックや社会課題、注目のサービス、テクノロジーなどについて、産婦人科医・重見大介がわかりやすく紹介・解説しています。「○○が注目されているけど、実は/正直言ってxxなんです」というような表では話しにくい本音も話します。

詳細は以下をご覧ください。

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この記事でわかること

  • 漢方薬とはどんなものか

  • どのくらいの種類があるのか

  • 女性の健康課題の特徴と漢方薬の相性

  • 漢方薬のメリットとデメリット

  • 婦人科でよく使われる代表的な漢方薬(婦人科三大処方など)

  • よくある症状への具体的な使用例(冷え性、月経異常、更年期障害)

  • よくある誤解Q&A5つ(漢方薬はすべての病気に効果がある?、漢方薬は副作用がない?、漢方薬は即効性がない?、漢方薬と西洋医学の薬は一緒に使ってはいけない?、漢方薬は安全なため誰でも使える?)

  • 妊婦さんが使う場合の安全性について

  • マイオピニオン(総合的な私個人の考えや意見)

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漢方薬の基本

まず、漢方薬とはどのようなものか、基本を確認しておきましょう。

漢方薬は生薬を原料にできた薬で、生薬は草や木、動物や鉱物など、自然に存在しているものになります。漢方薬の多くは2つ以上の種類の生薬を組み合わせて作られており、「その人の症状を根本から改善していく」ことを目指すものです。東洋医学の1つという位置付けです。

現在、日本の病院や薬局等で手に入る漢方薬は、長い年月をかけて生薬の種類や量、組み合わせが工夫・検討され、処方薬や市販薬として確立されたものになります。特定の診断がつけば保険適用されるものもあります。日本では2022年の時点で、医療用漢方製剤(医師が処方し健康保険が適用されるもの)として148種類、一般用漢方製剤(薬局やドラッグストアで市販されているもの)として294種類が存在しています。
漢方薬では、医療用と一般用の製剤に成分上の違いはなく、基本的に「どちらも同様の効果が期待できる」と考えてOKです。

剤型としては、主に「粉薬」と「錠剤」がありますが、全ての種類の漢方薬に両方の剤型があるわけではありません。

西洋医学と東洋医学の違い

西洋医学では聴診や触診、採血検査、画像検査などで生体情報を客観的に収集することで、どの臓器に異常があるかを評価し、特定の診断名を付けることがベースになります。

一方、東洋医学では、生体は「気・血・水」の3要素が体内を循環することによって構成されていると考えます。

  • 気:活力・生命機能を維持するエネルギー

  • 血:生命を物質的に支える流れ(機能は血液やホルモンに近い)

  • 水:潤い(体液、汗、唾液、消化管液など)

何らかの症状が出ている場合、上記の3要素のバランスが崩れていたり、いずれかの要素に異常が生じていると考えます。

女性の健康課題の特徴と漢方薬の相性

女性のライフステージは、女性ホルモンの影響を中心として、年代ごとに状況が大きく変わりやすいという特徴があります。

特に思春期から更年期の不調は、女性ホルモンの揺らぎが背景にあることが多く、

  • 急激に女性ホルモンが上昇する思春期

  • 急激に減少していく更年期

  • 妊娠中や授乳中

  • 1ヶ月の中でのホルモン変動

など、さまざまな状況に置かれています。

こうした変動は、ホルモン分泌や自律神経、免疫状態のバランスの崩れやすさにもつながります。また、血管や血流へ影響が及べば血液循環が悪くなって冷え症となり、さらなる不調を引き起こすこともあります。

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