妊娠中の皮膚トラブルを徹底解説(前編)〜色素沈着、ニキビへの対処法〜
色素沈着やニキビは、妊娠期以外でも悩みのタネになりやすいですが、妊娠中だと身体の生理学的変化もあって治りにくかったり、使える薬に注意しなければならなかったりで、特有の注意点も存在します。
今回の記事(前編)では、医学的な視点で、色素沈着やニキビに使う薬(塗り薬)を妊娠中に使う場合のポイントや注意点をまとめます。ぜひ参考にしてくださいね。
この記事でわかること
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妊娠中の皮膚トラブルにはどんなものがあるか
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妊娠中の塗り薬に関する安全性の指標は?
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妊娠中の色素沈着に使う薬:種類と注意点(ハイドロキノン、アゼライン酸、アルブチン、アルファヒドロキシ酸、日焼け止め)
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妊娠中のニキビに使う薬:種類と注意点(レチノイド、抗菌薬、アゼライン酸、サリチル酸とグリコール酸)
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マイオピニオン(私個人の考えや意見)
今回は、「J Clin Aesthet Dermatol」という医学雑誌に2022年に掲載された「Changes and Safety Profile of Topical Products During Pregnancy.」という論文をベースに解説していきます。(文献1)
妊娠中の皮膚トラブルにはどんなものがある?
妊娠中には、生理学的変化、もともとあった皮膚疾患の悪化、そして一部の妊娠に特有の皮膚疾患など、何かしらの皮膚トラブルを妊婦さんの約90%が経験すると言われています。これらの状態は、妊娠中のホルモン分泌、血管、代謝機能、および免疫機能の変化と主に関連しています。
妊娠中に生じる大きな生理学的変化の1つは「アンドロゲンの増加」です。アンドロゲンは、いわゆる「男性ホルモン」の一種で、これによりニキビ(尋常性痤瘡:じんじょうせいざそう)ができやすく、悪化しやすくなりますし、毛髪の増加(毛が濃くなりやすい)にも繋がります。
症状としては、皮膚の「色素沈着」が妊娠中に最も起きやすい皮膚トラブルで、他にも妊娠線や爪の変化も生じることがあります。
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- 妊娠中の塗り薬に関する安全性の指標は?
- 妊娠中の色素沈着に使う薬:種類と注意点
- 妊娠中のニキビに使う薬:種類と注意点
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