子宮が腫れてしまう「子宮腺筋症」を徹底解説! 〜検査・治療法、妊娠への影響、最新知見まで〜

子宮が腫れて月経痛が強くなる「子宮腺筋症」という疾患を知っているでしょうか。予防が難しく、症状がひどくなってきてから見つかることが多い婦人科疾患です。
今回は、この「子宮腺筋症」について、概要、検査・治療法、妊娠への影響、そして最新の研究でわかってきた知見などを含めて徹底解説します。
重見大介 2023.12.23
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この記事でわかること

  • 子宮腺筋症とはどんな疾患か

  • 発症しやすい年代

  • 発症するメカニズム(学説)

  • 主な症状

  • どのような女性に起こりやすいか

  • 産婦人科で行われる診察・検査の内容

  • 主な治療法

  • 妊娠への影響

  • 最新の研究でわかってきた知見

  • マイオピニオン(総合的な私個人の考えや意見)

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子宮腺筋症ってどんな疾患?

子宮腺筋症は、簡単に言えば「子宮の筋肉の壁が分厚く腫れてしまい、主に月経の状態を悪化させてしまう疾患」です。(下図の右側の状態)

では、なぜ子宮の筋肉の壁が腫れてしまうのでしょうか。下図の右側の子宮では、ピンク色の子宮の筋肉の中に黒っぽい球状の異物がたくさん見えます。この異物は「子宮の内側にある"子宮内膜"に似た組織の塊」で、はっきりした原因はわかっていませんが、なぜか子宮の筋肉の内部にこうした組織が出現してしまうことで発症し、子宮が腫れてしまうのです。

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続きは、4295文字あります。
  • どんな症状が起きる?
  • どのような人に多い?
  • 産婦人科ではどのような診察・検査をする?
  • 主な治療法は?
  • 妊娠への影響は?
  • 最新の研究でわかってきた知見
  • マイオピニオン(私個人の考えや意見)

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