「子宮の老化」を徹底解説! 〜子宮の変化や妊娠への影響、対策〜
本ニュースレターでは、女性の健康や産婦人科医療に関わるホットトピックや社会課題、注目のサービス、テクノロジーなどについて、産婦人科医・重見大介がわかりやすく紹介・解説しています。「○○が注目されているけど、実は/正直言ってxxなんです」というような表では話しにくい本音も話します。
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「子宮の老化」という話題は、女性が年齢を重ねるなかでしばしば耳にするものの、あまり良く知られていないかもしれません。年齢を重ねるにつれて、私たちの体はさまざまな変化、いわゆる老化を経験しますが、それは子宮も例外ではありません。特に35歳以上の高齢(高年)出産が増えている現在、その仕組みやリスクを正しく理解することは、妊娠・出産・育児といったライフステージを考える上でとても重要になります。
今回は、複雑な子宮の変化を医学的な見地からご紹介します。加齢に伴う子宮の変化や妊娠への影響、具体的な対策方法(アンチエイジング)について、最新の研究をもとにお話ししていきます。
この記事でわかること
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子宮の基本的な役割と機能
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加齢に伴う子宮の変化
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子宮の老化が生殖機能に与える影響
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子宮の老化が感染症に与える影響
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子宮の老化が妊娠・出産に与える影響
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子宮の老化を早めてしまう生活習慣
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子宮の老化に対抗するための戦略
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マイオピニオン(総合的な私個人の考えや意見)
今回は、Ageing Research Review誌に2023年に掲載された「Unveiling uterine aging: Much more to learn」という論文をベースに、わかりやすく解説していきます。(文献1)
子宮の基本的な役割と機能
まず、子宮について簡単におさらいしましょう。
子宮は女性の生殖器系の中心的な器官であり、妊娠が成立した際に胎児が育つ場所です。言い換えれば、お腹の中で赤ちゃんが生まれ育つ場所が子宮になります。
子宮には子宮内膜といわれる、内側を覆う粘膜組織があります。子宮内膜は、エストロゲン(女性ホルモン)の影響を受けて厚くなり、受精卵が着床する準備を整えます。もし妊娠が成立しなければ(受精卵が着床しなければ)、子宮内膜は剥がれて月経血として排出されます。
妊娠に至るには、子宮内膜が受精卵を受け入れる「受容性」を持っていることが重要です。また、内膜が適切に厚くなり、胚が着床し、妊娠を維持するために必要なホルモンや成分がきちんと分泌されることが必要です。
この一連の過程がスムーズに進むことで、妊娠は成立し、胎児は子宮内で成長することができるのです。
この記事は無料で続きを読めます
- 加齢に伴う子宮の変化とは?
- 子宮の老化が生殖機能に与える影響とは?
- 子宮が老化すると感染症にも弱くなる?
- 子宮の老化が妊娠・出産に与える影響とは?
- 子宮の老化を早めてしまう生活習慣とは?
- 子宮の老化に対抗するための戦略とは?
- マイオピニオン(総合的な私個人の考えや意見)
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