月経前症候群(PMS)はなぜ起こるの?理由とメカニズム、対処法をわかりやすく解説
本ニュースレターでは、女性の健康や産婦人科医療に関わるホットトピックや社会課題、注目のサービス、テクノロジーなどについて、産婦人科医・重見大介がわかりやすく紹介・解説しています。「○○が注目されているけど、実は/正直言ってxxなんです」というような表では話しにくい本音も話します。
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この記事でわかること
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月経前症候群(PMS)とはどんな病気か
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主な症状
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月経前不快気分障害(PMDD)との区別について
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PMSとホルモンの関係
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プロゲステロンがPMSの直接的な原因なのかどうか
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プロゲステロンによる脳や精神面への影響
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ストレスや性格はPMSに関係しているのか
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PMSが起こる「生物学的な意義」としてどのようなことが考えられているのか
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PMSのセルフケアや治療法
月経前症候群(PMS)ってどんな病気?
PMSは「月経開始の3〜10日前から始まる精神的、身体的症状で、月経開始とともに減退ないし消失するもの」という女性特有の疾患です。
症状の程度の範囲やデータの違いで幅はありますが、規則的な月経周期をもつ女性の40〜80%程度がPMSの影響を受けていると考えられています。ただ、日常生活に支障をきたすくらい症状が重いものは5〜20%程度とされています。多くの女性が毎月負担を抱えていることを考えれば、大きな社会的課題の一つと言えるでしょう。
症状は、身体的なものも精神的なものもあり、人によって複数の症状が出ることがあります (1)。
・身体的症状:腹痛、腰痛、頭痛、むくみ、お腹の張り感、乳房の張りなど
・精神症状:気分の変動、イライラ、落ち込み、不安、眠気、集中力低下、睡眠障害など
・その他:のぼせ、食欲不振、過食、めまい、倦怠感など
なお、月経前不快気分障害(PMDD)という疾患もあります。PMDDは、PMSと同時期にイライラ、怒り、不安や落ち込みのような精神面の症状がメインとなるもので、PMSよりも症状が重いことが特徴です。
PMDDはPMSと同じ症状スペクトラムにあるため、完全に分けて考えることはできません。なので、本記事では基本的にPMSとPMDDを一緒に考えていきます。
PMSとホルモンの関係
この記事は無料で続きを読めます
- プロゲステロンがPMSの直接的な原因?
- プロゲステロンによる脳や精神面への影響
- ストレスや性格はPMSに関係しているの?
- PMSの「生物学的な意義」とは
- PMSの対処法・治療法は?
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