月経前症候群(PMS)はなぜ起こるの?理由とメカニズム、対処法をわかりやすく解説

月経開始前の数日間、さまざまな体調不良が起こる月経前症候群(PMS)。軽めの症状も含めると、月経のある女性の多くが影響を受けていると考えられています。そもそも、なぜPMSは起こるのでしょうか?対処法も併せてわかりやすく解説します。
重見大介 2023.06.23
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この記事でわかること

  • 月経前症候群(PMS)とはどんな病気か

  • 主な症状

  • 月経前不快気分障害(PMDD)との区別について

  • PMSとホルモンの関係

  • プロゲステロンがPMSの直接的な原因なのかどうか

  • プロゲステロンによる脳や精神面への影響

  • ストレスや性格はPMSに関係しているのか

  • PMSが起こる「生物学的な意義」としてどのようなことが考えられているのか

  • PMSのセルフケアや治療法

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月経前症候群(PMS)ってどんな病気?

PMSは「月経開始の3〜10日前から始まる精神的、身体的症状で、月経開始とともに減退ないし消失するもの」という女性特有の疾患です。

症状の程度の範囲やデータの違いで幅はありますが、規則的な月経周期をもつ女性の40〜80%程度がPMSの影響を受けていると考えられています。ただ、日常生活に支障をきたすくらい症状が重いものは5〜20%程度とされています。多くの女性が毎月負担を抱えていることを考えれば、大きな社会的課題の一つと言えるでしょう。 

症状は、身体的なものも精神的なものもあり、人によって複数の症状が出ることがあります (1)。

・身体的症状:腹痛、腰痛、頭痛、むくみ、お腹の張り感、乳房の張りなど
・精神症状:気分の変動、イライラ、落ち込み、不安、眠気、集中力低下、睡眠障害など
・その他:のぼせ、食欲不振、過食、めまい、倦怠感など

なお、月経前不快気分障害(PMDD)という疾患もあります。PMDDは、PMSと同時期にイライラ、怒り、不安や落ち込みのような精神面の症状がメインとなるもので、PMSよりも症状が重いことが特徴です。
PMDDはPMSと同じ症状スペクトラムにあるため、完全に分けて考えることはできません。なので、本記事では基本的にPMSとPMDDを一緒に考えていきます。

PMSとホルモンの関係

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続きは、3361文字あります。
  • プロゲステロンがPMSの直接的な原因?
  • プロゲステロンによる脳や精神面への影響
  • ストレスや性格はPMSに関係しているの?
  • PMSの「生物学的な意義」とは
  • PMSの対処法・治療法は?

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