未来の産婦人科医療を妄想してみる(4) 〜妊娠・出産編〜

今回は妊娠・出産に関する産婦人科医療の未来を妄想してみます。なかなかテクノロジーが入り込むイメージを持ちにくいこの分野の未来を一緒に考えてみましょう。フェムテック製品・サービスのヒントにもなるのではないでしょうか。
重見大介 2024.07.16
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本ニュースレターでは、女性の健康や産婦人科医療に関わるホットトピックや社会課題、注目のサービス、テクノロジーなどについて、産婦人科医・重見大介がわかりやすく紹介・解説しています。「○○が注目されているけど、実は/正直言ってxxなんです」というような表では話しにくい本音も話します。

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以下の描写は、あくまでも私が未来を想像して書いたものです。一つの可能性を示す物語としてお読みください。

未来の妊娠・出産(患者さん目線)

妊娠発覚〜初回の診察

ある朝、30代半ばの彩花さんは、普段とは違う体調の変化に気づきました。AI搭載の健康管理デバイスが彼女の体調データ(基礎体温やホルモン値)を解析し、「妊娠の可能性があります」と通知を送りました。彩花さんは驚きましたが、アドバイス通りにデバイスから自宅での妊娠検査キットを注文し、届いたキットを使って妊娠検査を行いました。結果は陽性でした。

この後どうすればいいのかわからず、彩花さんはまず24時間対応のオンライン相談サービスを利用しました。妊娠した場合の今後の流れを専門家から聞き、次は診療を受けるため専用アプリを開き、産婦人科医とビデオ通話で初診を行う予約を取りました。

診察〜妊婦健診

診察の日、彩花さんは自宅のリビングでリラックスしながら、産婦人科医とビデオ通話を開始しました。医師は、彩花さんの健康管理デバイスから送信されたデータを確認し、必要な追加検査を指示しました。例えば、血液検査や超音波検査は、自宅で行えるキットが届けられ、それを使って彩花さんが自分で行い、その結果がクラウド経由で自動的に医師に送られます。

妊婦健診もまた、従来とは全く異なっています。定期的な検査やモニタリングは、すべて自宅で行えるようになりました。妊婦用のウェアラブルデバイスは、母体と胎児の健康状態を24時間モニタリングし、一定以上の異常があれば即座に医師に通知されます。また、週に一度のオンライン健診では、彩花さんと担当医がビデオ通話で状況を確認し、必要なアドバイスや治療を提供します。

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