フェムテック業界がより発展していくために重要なこととは?

「女性特有の健康課題をテクノロジーで解決するサービスやプロダクト」を指す「フェムテック」。最近耳にすることが増えてきたように感じますが、今回は世界的な注目度や盛り上がり、業界の発展に重要となることなどを考察します。
重見大介 2024.02.18
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フェムテック(Femtech)とは、「Female+Technology」からなる造語で、「女性特有の健康課題をテクノロジーで解決するサービスやプロダクト」を指します。
「フェムテック」という言葉を耳にする機会が増えているように感じますが、フェムテック関連企業は資金調達が難しいといった「特有の課題」も指摘されています。

今回は、Forbesに最近掲載された記事(文献1)をベースに、フェムテックの世界的な注目度や盛り上がり、今後の発展に必要なことなどを考察してみます。
利用者の立場として、医療者の立場として、フェムテック業界関係者の立場としてなど、ぜひ自分ごとに置き換えながら「フェムテック」の近況や可能性を考えてみていただければ嬉しいです。

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この記事でわかること

  • フェムテックとはどのようなものか

  • フェムテックにおける資金調達の難しさと解決策

  • フェムテックの資金調達と地域性

  • 女性の健康課題に関する知識・理解の不足

  • フェムテックの今後の発展と展望

  • 「フェムテック」という言葉は使われるべきか?

  • マイオピニオン(私個人の考えや意見)

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フェムテックとは?

まず、フェムテックについておさらいしてみましょう。

フェムテック(Femtech)とは、「Female+Technology」からなる造語で、「女性特有の健康課題をテクノロジーで解決するサービスやプロダクト」を指します。

これはドイツで2013年にリリースされた生理・排卵トラッキングアプリ「Clue」の開発企業の創業者が2016年頃に使い始めた言葉とされており、日本では2020年頃から「フェムテック」の言葉が頻繁に使われ始めました。ただ、女性の健康を支援するサービスやプロダクトはもっと以前から存在していて、最近の風潮は「ビジネス的側面での急な盛り上がり」という印象が強いです。

個人的には、こうした認知や市場が盛り上がっていくことは、女性の健康課題を解決したり日々の生活の満足度を向上したりするために重要なステップだと思っています。一方で、ほぼ「ビジネス」とだけ捉え、あくまでサービスや商品が売れて儲かれば良いといった意図が透けて見えるようなものも少なくありません。

フェムテックにおける資金調達の難しさと解決策

フェムテックはまだ比較的新しい業界・概念のため(本来、世界人口の半分を占める女性の健康を良くしていくことは古来から存在していた重要テーマのはずですが、歴史的に軽視されてきたという経緯があります)、ベンチャー企業・スタートアップ企業が中心となっています。そのため、こうした企業、ひいては業界が発展し盛り上がっていくためには「いかに資金を得て研究や商品開発、宣伝に注力するか」が重要になります。

ただ、フェムテックでは資金調達が難しいという課題が指摘されており、特に女性起業家が直面する重要なテーマとされています。

資金調達の難しさ

資金調達の課題として、「投資家の偏見」や「市場の誤解」があるでしょう。例えば、フェムテック企業の起業家は女性がかなり多いです。そして、女性起業家は男性投資家からの資金調達が難しいことがデータでわかっています。

例えば、Mira(米国のフェムテック企業。生理周期の予測と記録、排卵予測、胎児のモニタリング、卵巣予備能の測定、更年期障害の検出などを自宅でできるように、手のひらサイズのデバイスを提供している。)の共同創業者兼CEOであるSylvia Kang氏は、「フェムテック業界のスタートアップの70%が女性起業家によって設立されているが、男性企業家によって設立されたフェムテック企業の方がはるかに多くの資本を調達できている傾向があります。平均して、女性起業家が設立したフェムテック企業は460万ドルを調達していますが、男性所有のフェムテック企業は920万ドルを調達しています。」と述べています。

こうした女性企業家による資金調達の難しさの要因として、投資家が「自身と類似した経験や背景を持つ起業家」に投資をしやすいという傾向があることが考えられています。また、フェムテックの市場は一部の投資家からは過剰供給(つまり人々の需要に比べてフェムテック企業や製品が多すぎる)と見なされ、今後の成長性が大きくないと考えられてしまうことも少なくない、と記事には書かれていました(ただ、これは必ずしも正解ではないでしょう)。

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