女性にとっての睡眠を徹底考察! 〜月経・妊娠・更年期から代謝・妊活まで〜
本ニュースレターでは、女性の健康や産婦人科医療に関わるホットトピックや社会課題、注目のサービス、テクノロジーなどについて、産婦人科医・重見大介がわかりやすく紹介・解説しています。「○○が注目されているけど、実は/正直言ってxxなんです」というような表では話しにくい本音も話します。
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「夜中に何度も目が覚める」
「十分寝たはずなのに疲れが残る」
「月経前になると眠くて仕方がない」
こうした悩みは、きっと多くの女性が抱えているものだと思います。
睡眠は脳を休ませるだけでなく、心血管、代謝、内分泌、免疫、記憶、感情など、全身の機能と深く関わっているとされています。そして女性の睡眠は、月経周期、妊娠・出産、更年期に伴う身体の変化に加え、仕事や家事、育児、介護などの負担からも影響を受けます。
今回は、女性にとっての睡眠について徹底的に考えていきましょう。睡眠改善のため明日からできる工夫・ヒントもお伝えしますよ。
*最近は某ショートスリーパーの人が話題になってましたね。1日30分睡眠は医学的にみても全く推奨できません。そもそもそんな生活を続けることは無理でしょう。真似をしている方はいないと思いますが、どうぞお気をつけて。。
この記事でわかること
推奨されている睡眠時間
「睡眠休養感」も大切なワケ
慢性的な短時間睡眠や質の低い睡眠が引き起こす怖い病気
長時間睡眠と健康リスクの関連
女性の睡眠の特徴
体内時計の男女差
月経周期と眠気や不眠の関係
妊娠中に注意したい2つの睡眠障害:むずむず脚症候群、閉塞性睡眠時無呼吸症候群
産後の睡眠不足をどう改善するか
更年期や閉経後の不眠で知っておいてほしいこと
睡眠と妊娠しやすさの関係
睡眠不足と食事・食欲の関係
睡眠の整え方:4つのポイント
マイオピニオン(総合的な私個人の考えや意見)
良い睡眠は「何時間寝たか」だけでは決まらない
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、成人に対し、個人差を踏まえながら「6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保する」ことを勧めています。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」より引用。
これまでの研究からは、おおむね6~8時間が多くの成人にとって適正な範囲と考えられますが、6時間で十分な人もいれば、8時間以上必要な人もいます。必要とされる睡眠時間を確保しつつ、朝に休めた感覚があるか、日中の眠気や集中力低下がないかをあわせて確かめることが大切です。
この「睡眠でしっかり休めた」という感覚は、睡眠休養感と呼ばれます。
睡眠時間が量の目安なら、睡眠休養感は質を捉える指標です。睡眠時間が短くなくても、身体の痛み、ほてり、呼吸のしにくさ、脚の不快感、ストレスなどで睡眠が夜中に分断されると、十分休めたとは感じにくくなってしまいます。
慢性的な短時間睡眠や質の低い睡眠は、以下のような全身疾患のリスクにも関連するとされています。過重労働も相まって突然死してしまう方の中には、心不全や脳卒中が原因となる場合も多いです。本当に怖いです。
肥満
高血圧
2型糖尿病
心血管疾患
抑うつ
一方で、実は長時間睡眠にも健康リスクとの関連が報告されています。
ただしこの解釈には注意が必要で、長く眠ること自体が病気を起こすとは限りません。体調不良、うつ状態、睡眠時無呼吸症候群、服薬の影響などの結果として睡眠時間が長くなっている可能性もあります。
これまでにわかっていることをまとめると、「長ければ長いほどよい」「短くても平気なら問題ない」と単純には言えない、ということですね。
また、平日の不足を休日に取り戻そうとする「寝だめ」にも限界があり、注意が必要だと知っていますか?
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