子宮内膜ポリープってなに?見つかったらどうする?
本ニュースレターでは、女性の健康や産婦人科医療に関わるホットトピックや社会課題、注目のサービス、テクノロジーなどについて、産婦人科医・重見大介がわかりやすく紹介・解説しています。「○○が注目されているけど、実は/正直言ってxxなんです」というような表では話しにくい本音も話します。
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生理の量が増えた
生理が終わっても、茶色のおりものが続く
こういった症状や変化をきっかけに受診し、子宮内膜ポリープという異常が見つかることがあります。自覚症状がなく、別の目的で受けた検査で偶然指摘される人もいます。
「様子を見てもよいし、手術で取ることもできる」と説明されても、悩みますよね。手術の負担も、残しておくことのリスクも気になるはずです。
今回は、内膜ポリープの基本から、治療を考えるときの判断材料まで、わかりやすく整理していきます。引用論文も8つ紹介していますので、医療者の方もぜひ参考にしていただけると嬉しいです。
この記事でわかること
子宮内膜ポリープとはどんなものか
どのような症状が起こるのか
どのような検査が実施されるか
発症率と、悪性病変が混じっている確率
治療方針の考え方
ピルやミレーナで治療できるのか
切除方法、合併症リスク、再発率
マイオピニオン(総合的な私個人の考えや意見)
先月の質問募集で、以下のご質問を読者さんからいただきました。気になっている方も多いと思いましたので、これについてのアンサー記事です。ぜひ多くの方に読んでいただけたら嬉しいです。
24歳です。先日、子宮内膜ポリープが2個見つかりました。
婦人科の先生からは経過観察か手術と言われ、好きな方を選んでよいと言われました。手術を選んでもまた再発しそうと言われており、今後の方針に悩んでいます。今は新たにフリウェルULDを始めつつ経過観察をしています。
以下について教えてください。
・子宮内膜ポリープは多発と単発のものがあるようですが何か違いはあるのでしょうか?これは治療方針に影響するのですか?
・インターネットで調べると、40代やそれ以降に多いとされているようですが、20代など若い年代には珍しいものなのでしょうか?また、年代によって、勧められる治療は変わるものなのでしょうか?
・治療の基本方針として、手術または経過観察があるようですが、日本では、低用量ピルやミレーナなどのホルモン治療については一定の見解がないように思います。ホルモン剤を用いた子宮内膜ポリープの治療についても何か先生のお考え等ありましたら教えてください。
・手術が積極的に勧められるポリープの大きさや状況等がありましたら、教えてください。
子宮内膜ポリープとはどんなものか
まず、子宮内膜は、子宮の内側を覆っていて、月経周期に伴って厚さが変化し、月経の際には剥がれ落ちる組織です。その内膜の一部が局所的に増殖し、風船状に盛り上がったものが「子宮内膜ポリープ」です。(文献1)
子宮の出口にできる「子宮頸管ポリープ」や、筋肉組織から生じる「子宮筋腫」とは異なります。多くは良性(がんではない)で、大きさや形、数には個人差があります。

著者が生成AIで作成したイメージ画像。子宮内膜に風船状に膨らんだものが内膜ポリープです。
代表的な症状は、月経以外の時期の不正出血や、月経量の増加です。少量の血液がおりものに混じる場合には、茶色く見えるだけのこともあります。
なお、こうした症状には排卵の乱れ、内服薬の影響、子宮頸部の病変など、ほかの原因が影響していることもあるので、症状だけから内膜ポリープと判断することはできません。
診断のために有用な検査の一つが、経腟超音波(エコー)です。必要に応じて、子宮内に生理食塩水を注入してエコーの際に子宮内部の輪郭を見やすくする「ソノヒステログラフィー」や、細いカメラで内部を観察する「子宮鏡」を使います。
これらでポリープの位置や形を調べられますが、組織の性質(本当に良性か、など)を確定するには、採取または切除した組織の病理検査が必要です。ポリープが疑われた場合、ポリープの切除をする前に「子宮内膜細胞診検査」で「ざっくり悪性の細胞がないかどうか」をチェックすることも多いです(いわゆる子宮体がんの細胞診検査と同じです)。
一方、生理痛がある場合には、ポリープ以外の原因も考える必要があります。特に、月経痛が次第に強くなる、鎮痛薬やホルモン治療で十分改善しないといった場合は、子宮内膜症がないかどうかのチェックも大切です。通常、ポリープを取れば生理痛が治る、ということはあまりないです。
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