精子は何日かけて作られる?妊娠確率を高める姿勢はある? 知っておきたい精子の話
本ニュースレターでは、女性の健康や産婦人科医療に関わるホットトピックや社会課題、注目のサービス、テクノロジーなどについて、産婦人科医・重見大介がわかりやすく紹介・解説しています。「○○が注目されているけど、実は/正直言ってxxなんです」というような表では話しにくい本音も話します。
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「精子は何日間か生きてるから、腟の入り口に付着しただけで妊娠する可能性はある」
「妊活として性行為したときはしばらく足をあげた姿勢にした方が妊娠しやすくなる」
こんな話を聞いたことはありませんか?
精子については学校でも習ったはずですが、正しい知識や情報は大人になっても意外と知られていないように思います。
妊娠したいという方にも、今はまだ望まないという人にも役立つ8つの疑問を、医学的な根拠とともに解説していきます。ぜひ最後までご覧ください!
この記事でわかること
精子と精液の違い
精子が作られて精液中に出てくるまでの日数
妊活を始める場合にいつから体調管理や生活習慣を見直すべきか
足を上げる、腰の下に枕を置く、特定の体位を選ぶといった工夫が妊娠率を高めるか
禁欲して射精を我慢することによる精子や妊娠率への影響
妊娠確率を高めるために最適な性行為のタイミングや頻度
腟の近くに精子が付着した場合の妊娠確率をどう考えるべきか
性行為と排卵のタイミングで産み分けは可能なのか
男性の年齢や体調が、精子や妊娠率に与える影響
マイオピニオン(総合的な私個人の考えや意見)
疑問(1) 精子と精液って同じもの?
精子は、卵子と受精するための細胞です。受精するときには、遺伝情報の半分を卵子に渡します。
一方で、射精の際に出る精液は、精子だけでできているわけではありません。精巣で作られた精子に、精嚢や前立腺などから出る液体が混ざってできています。この液体は精子を運ぶ役割があり、精液の大部分を占めています。つまり、精子と他の液体が混ざったものが、精液と呼ばれるものなのです。(文献1)
なので、精液が多いとしても、精子の数が多いとは限りません。反対に、精液の量が少なく見えることは、精子が少ないこととイコールでもありません。精子がほとんど含まれていない場合でも、精液は出ることがあります。
実際に精子の数を確認するには、顕微鏡による検査が必要です。「勢いよく射精するから妊娠しやすい」ということでもありません。
なお、精液の量や状態は、前回の射精からの日数などによっても変わります。詳しくはこの後に書いていきますね。
疑問(2) 今日射精された精子は、いつ作られたもの?
精子は精巣の中で、元になる細胞が何段階も変化して作られます。人の精子が作られる時間を調べた研究では、目印を付けた精子が精液中に現れるまで、平均で約64日かかりました。ただ個人差があり、論文中には「42〜76日」と書かれていました。ざっくり、1ヶ月半から2ヶ月半くらいの範囲という感じですね。(文献2)
精巣を出た精子は精巣上体という細長い管を通り、ここで動く力などを獲得します。
つまり、今日射精された精子は、今日の食事や睡眠の影響を受けて作られたものではなく、1-2ヶ月前から作られてきたものなんですね。なお、精子を作る働きそのものは常時動いているため、射精のたびにゼロから作り直しているわけではありません。
このように時間差があることは、体調や生活習慣について考えるときにも重要です。妊活を始めるのであれば、その日から生活習慣を整えれば良いという話ではなく、少なくとも2-3ヶ月くらい前から変えていく必要がある、ということですね。。!
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