日本では未認可の「避妊用パッチ」ってどんなもの?

日本では認可されていないものの海外では多くの国で利用されており、定期的に肌に貼るだけで避妊効果が得られる「避妊用パッチ」をご存知でしょうか。今回は、どのような避妊方法なのか、メリットやデメリットも含めて詳しく解説します。
重見大介 2024.01.18
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「避妊する方法にはどんな種類があると思う?」という質問について、一般的な回答としては「コンドーム」や「経口避妊薬」を想像します。最近では、子宮内避妊リングや、ホルモン分泌機能も備えた「ミレーナ」などを思い浮かべる人も増えてきているかもしれません。

実は、他にもさまざまな避妊手段が存在します。ただし、各国や地域で認可されているかどうかには差があり、「日本では認可されていないが、海外では認可され多くの人が利用している避妊方法」もあるのです。

今回は、「日本では認可されていないが、海外では認可され多くの人が利用している避妊方法」のうち「避妊用パッチ」について、詳しく解説していきます。「海外ではこんな避妊方法もあるんだな」と見識が広がる一助になれば嬉しいです。

*あくまでも日本では未認可(厚生労働省が認可していない医薬品のため「医薬品副作用被害救済制度」の対象外)なので、その点はきちんと頭に入れておいてくださいね。

***

この記事でわかること

  • 避妊用パッチの概要(海外での状況など)

  • どのくらい避妊効果があるのか

  • 具体的な使用方法

  • 月経痛や過多月経の改善効果はあるのか

  • メリットとデメリット

  • 注意が必要な副作用

  • 使用できない人、リスクの高い人

  • マイオピニオン(私個人の考えや意見)

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避妊用パッチの概要

避妊用パッチは、低用量ピル(経口避妊薬)と同じくエストロゲンとプロゲステロンというホルモン成分を含んでおり、皮膚に貼っておくことで、持続的に放出されたホルモンが妊娠を防ぎます。

妊娠を防ぐメカニズムも低用量ピル(経口避妊薬)と同様で、毎月の排卵を防ぐ、子宮頸管粘液を変化させて精子が通過するのを難しくする、受精卵が子宮内膜に着床しにくくする、などの作用があります。

日本では未認可ですが、世界では少なくとも数十カ国以上で使用が承認されていて、先進国以外でも利用可能な国があります。ただし、国や地域によって状況や普及率、費用は異っています。

米国では、2001年に米食品医薬品局(FDA)が世界初のパッチ型避妊薬を承認しました。なので、すでに国外では20年以上使用されてきた実績がある避妊方法なんですね。

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