"卵巣の老化"を考える(1) ~卵巣老化とは何のことか~
本ニュースレターでは、女性の健康や産婦人科医療に関わるホットトピックや社会課題、注目のサービス、テクノロジーなどについて、産婦人科医・重見大介がわかりやすく紹介・解説しています。「○○が注目されているけど、実は/正直言ってxxなんです」というような表では話しにくい本音も話します。
今回は無料登録で全文読める記事です。メールアドレスをご登録いただくだけで最後まで読むことができます。
「卵巣の老化」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。
この言葉は、多くの女性にとって気になるものだと思います。と同時に、正確な情報が少ない話題でもありますよね。
実は、卵巣は体の他の部分よりも早く老化が始まり、これは単に妊娠のしやすさだけでなく、女性の健康全般に大きな影響を与えます。しかし、卵巣の老化を正しく理解し、適切な対策を取ることで、健康やライフプランへの影響を減らすこともできます。
本記事では、最新の医学研究に基づいて、卵巣の老化について詳しく解説していきます。全3回のシリーズ記事になるので、続きもどうぞお楽しみに。
この記事でわかること
-
老化全般に関する研究の動き
-
卵巣老化の重要性と社会的影響
-
卵巣老化とは何か
-
卵子の数と質の違い
-
マイオピニオン(総合的な私個人の考えや意見)
近年、老化研究に世界が注目!
近年、先進国での高齢化が進むにつれて、老化のメカニズムと影響に注目が集まっていることから、老化の研究が急速に進んでいます。
私たち人間の体は、年齢を重ねるにつれて機能が低下したり病気になりやすくなったりすることを直感的には知っていますが、それがなぜ、どのように起きているのかを理解することで、老化のスピードを遅らせたり、適切な処置を施したり、あるいは老化のメカニズムを逆転させて若返らせることが可能なのではないかと、研究が進められているのです。
例えば国内では、2025年7月11日に京都大学のiPS細胞研究所が「マウスモデルで細胞老化のメカニズムに迫る老化細胞が周囲の細胞に与える影響」というリリースを公開し、
-
マウスモデルを用いて、生体内で老化細胞が周囲の細胞に及ぼす影響を明らかにした
-
生体内における細胞老化は、組織や誘発する要因によって多様な反応を示すことを明らかにした
などと述べています。
また、2025年6月3日に九州大学が「脳の幹細胞の老化メカニズム解明に成功 機能低下に関わる遺伝子を可逆的に制御する酵素を特定 ~細胞若返り誘導法の開発に期待~」というリリースを公開し、
-
ヒトを含む哺乳類の脳内の海馬という記憶などを司る部位の神経幹細胞が加齢に伴い機能低下する現象は、遺伝子の働きを可逆的に調整するエピジェネティック修飾を制御する酵素「Setd8*2」の働きの低下によって引き起こされることを明らかにした
と述べています。
海外でも数多くの研究報告が出されており、その活況を感じますが、まだほぼ全ての研究が基礎研究レベルであり、ヒトの臨床研究として「実際に若返ることができた」という領域には到達していません。
しかしながら、こうして世界中で研究が進められていることは、「老化を抑えられるかもしれない」という希望を感じさせてくれますよね。
提携媒体
コラボ実績
提携媒体・コラボ実績

