私たちは無意識にジェンダーバイアスを持たされている? 〜意外なその原因とは〜
本ニュースレターでは、女性の健康や産婦人科医療に関わるホットトピックや社会課題、注目のサービス、テクノロジーなどについて、産婦人科医・重見大介がわかりやすく紹介・解説しています。「○○が注目されているけど、実は/正直言ってxxなんです」というような表では話しにくい本音も話します。
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ジェンダーバイアス(性別に対する偏見)。
最近では耳にする機会が増えてきたように感じますし、政治やビジネス、芸能界の世界でも重要なものとして認識されてきています。
ところが、できるだけジェンダーバイアスを持たないようにしていきたい、子どもにもそう伝えていきたい、と考えている中で、私たちは無意識にジェンダーバイアスを持たされているかもしれないのです。今回は日常に潜む「ジェンダーバイアスを植え付け、強める原因」を解説します。
この記事でわかること
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ジェンダーバイアスとはどのようなものか
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ジェンダーバイアスに影響する「あるもの」とは何か
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その「あるもの」が急速に増加している現状
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「あるもの」がもたらす影響1:ジェンダーバイアスへの影響の大きさ
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「あるもの」がもたらす影響2:普段している行動によってジェンダーバイアスが広がっている
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マイオピニオン(総合的な私個人の考えや意見)
ジェンダーバイアスとはどんなもの?
まず、ジェンダーバイアスについて改めて確認しておきましょう。
ジェンダーバイアスは、性別に基づくステレオタイプや偏見を指します。これは、例えば「女性は感情的であるべき」「男性は強くあるべき」といった固定観念に基づくものです。「看護師」「教師」という職業が女性のイメージと結び付けられやすく、「エンジニア」「課長」という職業が男性のイメージと結びつけられやすいなど、職業や社会的役割に関するジェンダーバイアスは日本社会(各国それぞれにもあるでしょう)に依然として存在しています。
これらのジェンダーバイアスは、個人のキャリア選択や社会的機会に影響を与え、性別による不平等を助長する要因となります。
個人や家族のレベルでは、「女性に教育は必要ない」「女性は理系に向かない」といった風潮のために選択肢が狭められることもあるでしょう。
社会では、政治家や経営層に見られる偏った男女比や、2018年に判明した医学部入試における女性差別など、ジェンダーバイアスの存在は、個人が性別に関係なく自分の能力や興味に基づいて自由に選択できる社会の実現を妨げているといえます。
*過去に性教育の観点でジェンダーバイアスを扱ったニュースレター記事もあるのでぜひ併せてご覧ください。