男性の更年期障害についてきちんと知っていますか?
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男性の更年期障害とは
更年期には、体内のホルモンバランスが大きく変化します。この影響によってさまざまな症状が出る場合があり、これを更年期症状と呼びます。更年期障害とは、この更年期症状がひどくなって「日常生活に支障が出る状態」のことです。
女性の場合には、閉経の平均年齢が約50歳ですので、その前後5年間を更年期と呼んでいます。
それでは、なぜ男性には閉経がないのに更年期障害があるのでしょうか。
世界的に平均寿命が伸び、高齢社会が到来しつつあった1990年代後半頃から、中高年男性ではテストステロン値が徐々に低下することが医学的に注目され始めました。そして実際に、男性においても中高年期には女性の更年期障害と似た症状が出現する場合があり、「男性にも更年期が存在する」と考えられ始めたのです。
専門用語では、男性更年期を意味する"LOH (late-onset hypogonadism)"という言葉が使われ始め、現在でも国際的に用いられています。
日本では、2007年に「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)診療の手引き」(1)が刊行され、段々と男性更年期障害の概念が世に広まっていきましたが、まだまだ男性更年期について知らないという人が多いように感じています。
実際に、厚生労働省が2022年に公開した全国調査結果(2)では、「男性にも更年期にまつわる不調があること」について「よく知っている」と回答した男性は40代で10.1%、50代で15.7%にとどまっていました。なお、女性の方が「よく知っている」と回答した割合が高かったです(40代で30.6%、50代で42.4%)。
近年、世界中で様々な研究結果が報告され、エビデンスが蓄積されてきたことを受け、中高年男性だけでなくすべての世代を対象とした「男性の性腺機能低下症ガイドライン2022」(3)が日本内分泌学会・日本メンズヘルス医学会から刊行されました。
男性更年期障害の特徴は?(時期や期間)
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