歯周病が早産のリスクに?口の健康と妊娠合併症の関連を徹底解説
こんにちは。本ニュースレターでは、女性の健康や産婦人科医療に関わるホットトピックや社会課題、注目のサービス、テクノロジーなどについて、産婦人科医・重見大介がわかりやすく紹介・解説しています。「○○が注目されているけど、実は/正直言ってxxなんです」というような表では話しにくい本音も話します。
この記事でわかること
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歯周病とはどんなものか
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歯周病の危険因子
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歯周病は妊娠合併症(早産、低体重児、妊娠高血圧症候群)の原因になるのか
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歯周病が早産などの妊娠合併症と関連する理由とメカニズム
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妊娠前や妊娠中の歯科検診について
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妊娠中の歯の自宅ケアのポイント
歯周病ってそもそもなんだっけ?危険因子は?
日本歯周病学会によれば、歯周病(Periodontal Disease)とは「細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯の周りの歯ぐき(歯肉)や、歯を支える骨などが溶けてしまう病気」とされています (1)。歯肉辺縁部の歯周組織の病変群に対する総括的な疾患名ともいえます。
口腔内には未同定のものも含めると約700種類もの多種多様な細菌が棲息し、プラーク(デンタルプラーク、バイオフィルム、歯垢などとも呼ばれます)を形成します。歯と歯肉の境目の清潔をきちんと保てていないことで、そこに多くの細菌が溜まり、歯肉周辺が炎症を起こして腫れてしまいます。ただ痛みはほとんどの場合になく、知らないうちに進行すると膿がでたり歯がぐらついてきて、最終的には抜歯の必要性が出てきてしまいます。

https://my.clevelandclinic.org/health/diseases/21482-gum-periodontal-disease
歯周病の罹患率は高く、日本では成人の約80%が歯周病を持っているとされています。加えて、近年では歯周病が糖尿病、心血管疾患、関節リウマチなど、さまざまな全身性疾患に関連することがわかってきました。
歯周病の危険因子には、以下のようなものがあります (2)。
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喫煙
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口腔衛生状態の悪さ
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糖尿病
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自己免疫疾患(強皮症、クローン病など)
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ホルモン変化(思春期、妊娠期、更年期など)
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ストレス
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親族に歯周病罹患者がいる
歯周病は妊娠合併症の原因になるの?
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