子宮体がん検査を徹底解説! 〜検査器具や流れ、受けるべき人、要精密検査の意味など〜
本ニュースレターでは、女性の健康や産婦人科医療に関わるホットトピックや社会課題、注目のサービス、テクノロジーなどについて、産婦人科医・重見大介がわかりやすく紹介・解説しています。「○○が注目されているけど、実は/正直言ってxxなんです」というような表では話しにくい本音も話します。
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子宮体がんは、女性特有のがんであり、早期に発見すれば治療が可能ながんのひとつです。
でも、「私は受けるべきなのか」「検査が痛そうで怖い」「どんな器具を使うのか気になる」などの声をよく耳にします。本記事では、子宮体がん検査の内容や対象となる方、検査後の流れ、よくある疑問への回答などをわかりやすく解説します。
検査器具の画像も掲載していますので、具体的なイメージが湧くかと思いますよ。
この記事でわかること
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子宮体がんの概要:初期症状とリスク因子
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子宮体がん検査の具体的な内容と流れ
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「子宮内膜細胞診」とはどんなものか
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どんな人が検査を受けるべきか
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検査結果が「要精密検査」となった場合の方針
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子宮体がんの「前がん病変」について
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よくある質問Q&A 〜受診前の不安解消へ〜
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マイオピニオン(総合的な私個人の考えや意見)
子宮体がんとは? 〜症状とリスク因子を正しく知ろう〜
病気の概要
子宮体がんとは、「子宮内膜がん」とも呼ばれ、子宮の内側をおおう膜(内膜)にできるがんのことです。女性の体の中にある子宮は、妊娠したときに赤ちゃんが育つ場所。その子宮の中でも、「子宮頸部」より奥の方にある「子宮体部」に発生するのが子宮体がんです。

著者作成。
このがんは、近年日本でも増加傾向にあり、特に閉経前後の40代後半〜60代にかけて多く見られます。ただし、まれに若い女性に発生することもあるため、すべての世代にとって無関係とは言えません。
2020年に日本全国で子宮体がんと診断されたのは約1万8千人でした(文献1)。これは、子宮頸がんの患者数(約1万人/年)と比べて2倍弱の多さになります。
典型的な初期症状
子宮体がんの最も典型的な初期症状は、「不正出血」です。たとえば、
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閉経後なのに性器出血がある
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月経ではない時期に不正出血が出る
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月経が長引いたり、量が急に増えたりする
といった変化に心当たりがある方は、注意が必要です。
なお、初期のうちは出血があっても痛みは特にないことが多く、「大したことないかも」と見過ごされてしまうケースもあります。
リスク因子
では、子宮体がんのリスクが高いのはどんな人でしょうか?
主なリスク因子として、以下のようなものが挙げられます(文献2)。
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肥満や糖尿病がある方
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排卵の少ない人(例:生理が極端に不規則な方)
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出産経験がない人
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女性ホルモン(エストロゲン)単独の薬を長期間使用している人
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乳がんの治療でホルモン剤(タモキシフェン)を使っている人
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家族に子宮体がんや大腸がんの方がいる場合(遺伝的要因)
出血については、おりものに血が混ざって褐色になる程度の場合もあります。
病気が進行すると、下腹部痛、性交痛、腰痛、足のむくみなどの症状が出ることもあります。
なお、これらのリスク因子があるからといって、必ず子宮体がんになるわけではありません。しかし、リスク因子がある場合はそれを念頭に置き、定期的な婦人科の受診や医師との相談をぜひ検討していただけると良いかと思います。
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- 子宮体がん検査ってどんなことをするの?
- どんな人が検査を受けるべき?
- 検査結果が「要精密検査」になったらどうするの?
- よくある質問Q&A 〜受診前の不安を解消しよう〜
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