子宮がん検診はいつまで受ければいい? 〜子宮頸がんと子宮体がん〜
子宮頸がんと子宮体がんは、子宮に発生するがん(悪性腫瘍)です。どちらも女性にとっては怖い病気で、検診で引っかかったことがある方もいるでしょう。
子宮頸がんは年間約10,000人が診断され、約2,800人が死亡しています。
子宮体がんは年間約18,000人が診断されており、約2,600人が死亡しています。
早期発見のためには検診が重要ですが、子宮頸がんと子宮体がんではその推奨が異なっており、また「何歳まで受ければいいんだろう?」と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。
*今回のテーマはサポートメンバーからのテーマ募集でいただいたものです。ありがとうございました!今後も募集したテーマを可能な範囲で記事化していきますので、お楽しみに!
この記事でわかること
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子宮頸がんと子宮体がんの基本情報
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子宮頸がん検診は誰がいつから受けるべきか
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子宮体がん検査は誰がいつから受けるべきか
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子宮頸がん検診は何歳まで受けるべきか
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子宮体がん検査は何歳まで受けるべきか
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マイオピニオン(私個人の考えや意見)
子宮頸がんと子宮体がんの基本情報
子宮にできるがん(悪性腫瘍)には、大きく「子宮頸がん」と「子宮体がん」があります。それぞれ異なる病気であり、特徴や検査法、治療法も違います。
まず、基本情報をおさらいしましょう。
子宮頸がん
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疾患の概要:
子宮の入り口部分である子宮頸部の細胞から生じるがんです。そのほとんど(95%以上)は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染がきっかけとなります。近年、患者数・死亡者数とも増加傾向にあります。特に、20〜40代の若い女性での発症が増えてきており、問題視されています。
ほとんどの場合、まず「前がん病変」が発生し、徐々に進行し、数年から数十年ほどの時間をかけて子宮頸がんになります。前がん病変は自然に良くなることもありますが、しばらくしてまた発生・進行していくことがあります。 -
発症のリスク因子:
HPVの感染(基本的に性行為で感染する)
喫煙(HPV感染後の病気の進行を早めると考えられている)
*子宮頸がん患者=性的に奔放だった、というイメージは持つべきではなく、たとえ1人の人としか性的関係を持っていなくても子宮頸がんになることはあります。HPVはごくありふれたウイルスで、性行為の経験ある人なら80%ほどはHPVに感染していると考えられています。
*HPV感染を防ぐためにHPVワクチン接種が推奨されています。厚労省のページに詳しく載っていますのでぜひご覧ください。
子宮体がん
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疾患の概要:
子宮体がんは、子宮頸部より奥の部分、特に子宮の内膜にできるがんです。40代から増えてきて60代までに多くが発見されます。 -
発症のリスク因子:
エストロゲン単独でのホルモン補充療法
過体重または肥満
高血圧
糖尿病
出産経験がない
遺伝性腫瘍の家系 (リンチ症候群など)