妊娠後期は、寝る際に「少し斜めの仰向け」でも良くないの?最新知見を解説
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妊娠中、特に妊娠後期(28週以降)になると、「仰向けで寝ないほうがいい」「横向きで寝ましょう」と言われることがありますよね。
一方で、妊婦さんからすると、不安に思うことも多いかと思います。
「夜中に目が覚めたら仰向けだった。赤ちゃんは苦しくない?」
「寝ている間の姿勢なんて、自分ではコントロールできないのに」
「横向きで寝ようとすると、かえって眠れなくなる。。」
今回は、2026年に発表された論文(文献1)をベースに、「妊娠後期に寝るとき、少し斜めも含めた仰向けは実際胎児に影響するのか」を整理してみたいと思います。ぜひ最後までご覧ください。
この記事でわかること
妊娠後期はできるだけ横向きで寝ることが推奨される理由
新しい研究でわかったこと(睡眠時の姿勢のリアル、仰向けによる胎児発育への影響)
現時点でのエビデンスを踏まえてどう考えれば良いのか
マイオピニオン(総合的な私個人の考えや意見)
「妊娠後期は横向きで寝ましょう」と言われる理由
まず、なぜ妊娠後期に「仰向けでなるべく寝ないように」と言われるのでしょうか。
妊娠後期になると、子宮はかなり大きく、重くなります。仰向けになると、その子宮が背骨の前を走る大きな血管、特に下大静脈や大動脈を圧迫する可能性があります。特に、下大静脈は下半身から心臓へ血液を戻す大事な血管であり、ここが圧迫されると、心臓へ戻る血液量が減り、妊婦さんの心拍出量や血圧、子宮胎盤血流に影響することが懸念されるのです。
今回の論文でも、妊娠後期の仰臥位(仰向け)では下大静脈や大動脈の圧迫により、心拍出量や胎盤・胎児への血流が低下する可能性が背景として説明されています。
このような考え方をもとに、海外でも、妊娠28週以降は横向きで寝始めるよう勧められてきました。
たとえば英国のNHSは、妊娠28週以降に仰向けで寝入ることは死産リスク上昇と関連する可能性があり、寝始める姿勢としては左右どちらかの横向きが安全だ、と説明しています。ただし、夜中に目が覚めたとき仰向けになっていても、気づいた時点で横向きに戻ればよい、とも明記しています。(文献2)
オーストラリアのStillbirth Centre of Research Excellenceも、妊娠28週以降に横向きで寝始めることが死産予防に役立つ可能性を示し、仰向けでは大きな血管が圧迫され、子宮への血流や赤ちゃんへの酸素供給が減ってしまう可能性があると説明しています。(文献3)

文献3より引用。海外の公的な資料でも、横向きに就寝することが推奨されています。
ただし、これまでの知見の多くは「自己申告」に基づいています。過去の研究では、「昨夜どの姿勢で就寝しましたか」「起きたときの姿勢はどうでしたか」といった質問から睡眠時の姿勢を評価していました。しかし、実際には寝ている間の姿勢を正確に覚えていることは難しく、仰向けでいた時間や角度を本人が正確に把握することはほぼ不可能ですよね。
つまり、「仰向けで寝ることは危険かもしれない」という考えは、基本的にもっともらしい生理学的メカニズムと、主観的な観察研究による知見から生まれたものです。しかし、その関連がどの程度確かなのか、実際に胎児の発育へどれほど影響するのかについては、まだ未知な部分が残っていた、ということになるのです。
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